第5話 実家の空き地を勝手に駐車場代わりするDQNに、制裁を
私の名前はノゾミ つい少し前一人息子を連れて実家に出戻った28歳
そう3年の義母との戦いのすえ、実家に帰ってきた戦士だ
戦果は私と義母に挟まれて、うつ病一歩手前まで追い込んだ夫かな
いや、、若さのせいかな、今思えば彼にも悪い事をしてしまった
だけど、あいつも、どっちつかずの態度でいたのが悪い
まあそんな黒歴史はもういいわね
両親の目は少し、冷たいが、まあ暫くは我慢だ
仕事を探すべきか、婚活するべきか
家事手伝いと言う名のニートになるべきか
只今、絶賛迷い中、、、とまあそんな冗談が
言えるのも、家は昔からの土地持ちで、私は一人娘
結構余裕があったりする、、ご先祖様ありがとう
「はあーー」なんだろ母さんが目の前で、溜息を付いてくるんだけど
「なに、、もしかして出戻りの娘に、なにか言いたい事でもあるの?」
軽くプレッシャーを与えてやると、慌てたように
「ちがうわよ、、うちの空き地のことでちょと困ってるのよ」
「うちの空き地?、、、どこの?」
「うん、ほらいつか言ったと思うけど、ちょと微妙な広さで、何にも
できないのに、売れもしない土地あるって言ってたの覚えてない」
そんな事聞いたっけ?、、、、、、思いだした
そういえば、車一台ちょと分の土地で何も出来ないのに
固定資産税だけ取られるって、昔愚痴ってたあそこの事かな
「ああ、思い出したあの、固定資産税だけ取られるって愚痴ってたあそこよね?」
「そうあそこ、、もうお母さん、本当に困ってて」
「なんで、、固定資産税が払えなくなったの?」
「ちがうわよ、、使わないんで暫くほっておたらね、いつのまにか
勝手に車を止める人が、いるのよ」
「え、まじで?、、どこのどいつよ?、私の土地を無断で使うなんて許せない」
「いや、、なにどさくさに紛れて、あんたの物にしてるのよ、父さんも母さんも
まだまだ、健康なんだからね」
「いずれは、私の物だし、、そんな事はどうでもいいのよ、、それより
誰が勝手に使ってるか解ってないの?」
母さんは首を横に振ると
「名前とか何処に住んでいるのかとまでは知らないんだけど
どうも近くのスーパのパートさんが出勤の為に使っているみたいなのよ
何度か注意はしてるんだけど、まったく聞いてくれなくて」
「そうなの、、ねえ警察とかには連絡してないの、、だって人の土地
に勝手に使って、不法侵入っての?」
母さんは更に大きく溜息をつくと
「もう何回も警察には言っているのよ、でもまったく取り合ってくれないのよ」
「なんで?、、さっきも言ったけど、不法侵入じゃないの?」
「そうなんだけど、何でも民事不介入だって言われてね
そこが公道とかなら警察もなんとかできるんだけど
私有地だから手が出せないんですって
もう、いくら迷惑だって言っても、当人同士で話し合いをしてください
そう言われるだけなのよ、、もうこの頃は母さんも疲れたから
ほおっておこうかなとも、思っているのよね」
「なに言ってるの、なんでこっちが泣き寝入りしないといけないのよ
私の土地を勝手に使うなんて許せるわけないでしょう
いいわ、私が話を付けてやるから」
「いや、、あんたの土地じゃないからね」
母さんの呟きは勿論無視した
あれがそうか、問題の車はパートに通う為に決まった時間に来る
車から降りてくる、30代前半に見える女が車から降りてくる
「あの、いつもここに車を止めているようですが、ここはうちの
土地ですので止めていただきませんか?」
いきなり言われて面食らっているようだが
すぐに、言い返してくる
「はあ、べつに使ってないようだし、迷惑かけてないしいいでしょう」
「いや、迷惑とかの話じゃないでしょう?人様の土地を勝手に使うなって言ってるのよ」
いままで、大人しい母さん相手だったので、軽くあしらってきたのだろうが
もう、そうはいかない
だが向こうも逆切れ気味に
「ちょと、パートに遅れちゃうじゃない、あなた保証してくれるの?
もうどいてよ」
「ふざけるな、これからも使うなら貸してやるから使用料を払いなさい」
「うるさいわね、なんで、こんな荒れ地に使用料何て払わないといけないよ
絶対に払わないからね」
「ああ、荒れ地だろうがなんだろうが、使ってるんだから当たり前でしょうが」
「うるさいわね、こっちは子供もいるし大変なのよ、私達みたいな貧乏人から
金をむしり取る気なの、、この人でなし、鬼、悪魔
もう本当に時間無いんだから、付いてこないで」
そう逆上しながら私の手を振り切って走っていく女
なんて、ふざけた言い草だ、、、、ふう深呼吸だ落ち着かないと
クールになるんだクールだ、、、、、
確かにパートに行く前の急いでる時に、話し掛けたのは悪いが
それにしても、貧乏だから許せ、、関係あるか
なに人様に甘えているんだ、、、よし
パート終わりの時間にもう1回待ち伏せだ
戻ってきたわね、向こうも私の姿に気づいたんだろう
すごい睨んでくる、、
「ちょと、しつこくありません?、、どうせ使ってない土地なんだし
少しくらいいいじゃない?」
「はあ? 使って無くても、うちはこの土地に固定資産税払っているのよ
なに、あなたが代わりに払ってくれんですか?」
そういうと黙り込む女を睨みつけつつ
「とにかくこれからも使うつもりなら、使用料を払ってください
確かに使っていない、荒れ地なんで、近隣の駐車場と同じ
料金を出せとは言いません、半分くらいでいいですから」
「さっきも、いったけど、そんなお金は無いんだから、子供の塾のお金も
あるし、文句あるなら警察にでも訴えてよ」
そう言い私を突き飛ばすと車に乗りエンジンをかける
「ちょと、なにするのよまだ話はあるのよ、降りてきなさい」
そう怒鳴る私を無視して、車を出し始める女を
見送りながら、私は決意していた
「いいだろう、、、戦争だよ」
今日の為に一週間用意をした、いつも通りの時間に女が車を止めてくる
あの日いらい、私も姿を見せないし、諦めたと思っているのだろう
女の姿が見えなくなったのを確認すると、私は準備を始める
「よし、、思い知らせてる」
この土地は、車が入るところ以外は塀に囲まれている
つまり出口をふさげば、出ることが出来なくなる
車の前をシャベルで掘り、その後、ホームセンターで買ってきた
木の杭を地面に打ち付け、そして鉄条網を木の杭に巻き付ける
すごい重労働だが、、気にならない
一段落したところで、持ってきた水筒から麦茶を飲んでいると
「うわーー最高にうまい、これが労働の喜びってやつなのね、、
、、あらきたわね」
そう、あの女が、慌てたように走ってくる
「ちょと何してるのよ、馬鹿じゃないのあんた、とっととどかしなさいよ」
私は馬鹿にしたような目でこの女を、見ながら
「うちの土地で何しようが勝手でしょう、、文句があるなら警察に訴えろ」
そう作業で使ってたデカい木槌を振り上げてみせる
そんな私の姿にビビりながら「覚悟しなさい」そう一言どなり
スマフォで警察に電話しているようだ
それに構わず、私は作業を進めることにする
「ほら、見てください、ひどいでしょう、私の車が出れないように
嫌がらせをしてるんですよ」
そう駆けつけてきた警察官に訴えるが
こんなくだらないことに、三人も来てもらって心苦しいが
この件に関しては警察も敵だ容赦はしない
警官たちはお互いの顔を見合い困ったような顔をしているが
一人が私に話しかけてくる
「その、、こちらの人も困っていますので、一旦そのバリケードを
どかして貰って、話し合いをしてはどうですか?」
「はあ?、、うちの土地にバリケード立てるのにいつから警察の許可が
必要になったんですか?」
「いや、もちろんそんな許可は必要ありませんけど、そのこれはちょと
やりすぎというか、、お互いご不満があるでしょうから
落ち着いて話し合いをですね」
「何回か無断で駐車されてるって相談したら民事不介入だって言われたんですけど
なに、うちがバリケード作ったら、もう民事じゃないんですか?
民事不介入ならそれ、貫いてくれませんか?」
警察官は更に私を説得しようとするが
「なに、いままで無断駐車してた、この人はそんなに説得したの?」
「いや、それはその」
「でしょう、こっちが訴えている時に、その女を説得してくれていれば
こんな事にはならなったんですよ、そちらの言う通り
当事者で話し合いますから、口出さないでもらえますか」
私の説得は無理だと諦めたのか
「すいません、あの方の言う通り、民事不介入ですし警察ではもう
どうにもできません、直接話し合ってもらってもいいですか?」
警察のギブアップ宣言に、今度は女が警察に切れ始めた
「ふざけないでよ、どうやって帰れって言うのよ、なんとかしなさいよ
この税金泥棒」
おぉでた、、税金泥棒ドラマでしか聞いた事ないセリフを生で聞くことが出来るなんて
だけど、どうにもならないだろう、警察に出来ることは、ちょとした注意をすることくらい
この状態で何とかするには、私を説得するか、本当に裁判を起こすしかない
どちらでも、迎え撃つ覚悟はすでにできている
女は警察官に怒鳴り散らして少しは気が晴れたのか
私を睨むと
「このままじゃ済まさないからね、慰謝料と、交通費を請求してやるからね」
そう言い帰ろうとするので
「あ、まって次からは弁護士を通して話してね」
そういい、うちの顧問弁護士の名刺を女に渡す
私がそこまで、準備してるのに、顔色を変えながら慌ててその場を去って行った
残された警察官は、困ったような顔をしながらなにか私に言いたそうにしてるが
「暇ならバリケード作り手伝ってくれますか?」
そうへらへらしながら言ってやると、諦めたのだろう
「じゃあ、本官達はこれで失礼します」
「ご苦労様、もしかしたら次は器物損壊とかでお世話になるかも
知れないので、その時はよろしくお願いしますね」
笑顔の私に苦笑しながら警官たちは立ち去って行った
次の日、、、うお凄い筋肉痛だお尻が凄い痛い、
「お母さんお尻割れてない?すごい痛いんだけど」
お母さんに全身をマッサージしてもらいながら愚痴を言ってると
「うん、お尻は、割れているわね、あんた頑張り過ぎよ、こんなに筋肉痛に
なるまで、やるなんて」
「ふ、、当たり前でしょう、自分の土地を守るためなんだから
手間はおしまないわよ」
いつもの私の冗談に、母さんは苦笑しながら
「いや、あんたの土地じゃないから、、あのそろそろその冗談
怖くなってきたんだけど?」
「母さん、、私ならいつでもいいのよ、なんなら生前贈与とかもあるし」
すごいいい笑顔を母さんに見せると
母さんは「あははははは」
それを見た私も「あははははは」
二人で仲良く、笑いあっているとそこに
「ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン、」
「うるせえ、なんだこの連打は、小学生のいたずらかよ」
私は筋肉痛の体を起こすと、母さんに目配せする
「母さん、悪い予感がするから、教えたとおり録画と警察をすぐに
呼べるようにしといてね」
インタフォンを見ると予想通りあの女ともう一人、男がいる弁護士には見えないから
たぶんあの女の旦那かな、まあどちらでも構わない
インタフォン越しに声を、声を掛けることする
「はい、どちらさまですか?」
「ふざけんな、とっとと出てこい、話をつけてやるぞ」
おお、、予想を超えるDQNがきたな、後ろにいる母さんに隠れながら動画の録画をたのみ
ヤバくなったら警察にすぐに連絡するように、確認する
玄関をあけ私が外にでると
「おい、どうゆうつもりだ、車が動かせないって、女房が言ってるんだが」
「それより、よくうちの場所がわかりましたね?」
「ああ、そんなの話し合いたいからって警察に言ったら教えてくれたんだよ」
なるほど、、て、そんなに簡単に教えるなよ、嫌がらせか?
「そうですか、車が動かせないのは勝手にうちの土地に停めたからで
何度も迷惑だっていってましたよね?」
「はあ、、下手に出てれば調子に乗りやがって、とっととあのバリケードを
壊せ、それから、俺の女房に謝罪と慰謝料をだすんだな」
「はあ、、あのバリケードは壊す気はないし、それどころかうちの財産なので
壊したら器物損壊で訴えますからね、、それと謝罪と慰謝料は
逆にこっちが請求したいくらいなんですけど」
ちょと脅せば、私が言う事を聞くとでも思っていたのだろう
すこし、当てが外れたって顔を見せるが
すぐに、また頭に血がのぼったのか
「なめるんじゃねえぞ」そう言って私の胸倉を掴んできた
よし今だ、、そうこの時を待っていた、私は全力で後ろに飛び
ゴロゴロと転がる、、たぶん母さんの位置からだと私は突き飛ばされてるように
録画されてるはずだ、さらに私は
「きゃあ、、やめてください、殺されるだれか警察をよんで」
そうご近所中に響き渡る声で悲鳴を上げた
慌てはじめるDQNたち、だがもう遅い、お前たちはもう詰んでいる
クソ姑と3年、足の引っ張り合いしてた、私とは経験が違うんだよ
ご近所が騒ぎ始め、DQN二人はお互いの顔を見ると慌てて逃げ始める
馬鹿な奴らだ、、
「母さん動画ちゃんと取れてる?」
「ええ、とっといたわよ、警察も呼ぶ?」
「ちょと見せてね」動画を確認し終わると、ニヤリと母さんに笑いかけると
「いやいいよ、うちの個人情報を簡単に漏らしてくれた所に
この証拠もって恐喝と傷害で訴えてくるから、、くくく
全員、社会的に制裁を受けてもらうわよ」
担当者がもらした情報で、傷害事件が起きたのだ
警察署では署長まで、謝罪にくる大騒ぎになった
その夜、、DQN二人は逮捕されたのだが
後日弁護士から、私に謝罪するので示談にしたいとの連絡がきたので
話し合いの為、私も弁護士を伴い、指定されたファミレスにいった
私の顔を見たDQN二人はすぐに頭を下げると、弁護士が
すぐに示談の話を始めたので
「示談は絶対にしません、大人しく前科者になってください」
私のかたくな態度に、たじろぎながら
「いや、本人も反省してますし、傷害の前科がつきますと、仕事やこれからの
人生にも、関わってきます、どうか、その辺もご考慮いただければ」
「考慮しました、、示談はしません」
あっさり言い切る私に、三人は暫く呆然としていたが
DQN女が最初に正気に返ると
「ちょと、そこまでしなくてもいいんじゃない、あんたのせいで
私はパート先を、旦那は会社を首になるのかもしれないのよ」
「それがなにか、私に関係あるんですか?
あなた方の人生に、私は一ミリも興味が無いんですけど」
なに人に甘えてるんだ?、こいつらは
弁護士が苦笑しながら、なんとか話をしようと努力をしてくる
「その、たいへんなご不快を、されたのは、理解できますが
お怒りをそろそろ、示談の為の慰謝料に関しましても
かなり考慮しますので」
まあ、確かに追い詰めすぎて、恨みを買い過ぎるのも
なんだろうし、この辺が落としどころかもしれない
そう思い、溜息をつく
「はーー、解りました取り下げます、ただし条件があります、二度と私や両親親族の周りに
近づかない事、慰謝料はいらないのであの土地は買い取ってもらいます
よろしいですか?」
DQN二人はかなり迷っていたようだが、もともと請求するつもりの
慰謝料と土地代がそれほど違わないと、教えてもらって
ようやく納得したようだ
DQN二人から解放され、その上あの固定資産税しかとられない
邪魔な土地が処分できた、、まさに完全勝利
今日は焼肉ね
「ノゾミちゃん、あの土地本当に買って貰えるの?」
「当たり前でしょう、、もし約束をたがえるようなら
あいつら社会的に殺すから」
そう良い笑顔で母さんに答えてあげると
「いや、あんた、たくましくなり過ぎだわ、
ある意味あちらのお姑さんに感謝しないとね」
「あはははは」「あははははは」
私と母さんはお互いの顔を見て笑いあった
その様子を父さんは、一人晩酌をしながら、苦笑い
いや父さん空気すぎるよ
読了ありがとうございます
You Tubeでも配信中ですので
よろしければそちらも覗いてみてください
https://www.youtube.com/channel/UCqYZ2G81hDAyyJm1VkUWuEQ
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