第5話 中学一年生後期
三年の二人が引退して今の部員は三人。
俺たち三人はまだ流石に人が中に入って飛ぶ飛行機を作るのは危ないと考えたので自分たちの身長ぐらいの大きさの大型紙飛行機を作ってよく飛ぶ飛行機の作り方を考えることにした。
「出来た!!」三人は一斉に声を上げた。
「よし、飛ばすぞ」俺は力を込めて、そう言った。
「ああ」「うん」
「せーの」「せーの」「せーの」
その掛け声と同時に、『大型紙飛行機初号機』は、三人の手から飛び立った。小さな崖の上から飛び出して行った『大型紙飛行機初号機』は、なかなかの高スピードを出して前へ進んでいった。
「目標ラインまであと少しだ。」斎藤のこの言葉を聞いて、俺は両手を合わせて祈った。
「うーん、あとちょとだったのにね。」俺たちの思いはあと一歩のところで途絶えた。
「東堂、話がある。来てくれ。」
斎藤がそう言ったので、市川は先に帰って、部室は俺と斎藤の二人になった。
「君が両手を合わせているのを見て僕は思ったんだけど、君、内山拓也の葬式にいたよね?」その言葉を聞いた俺は驚いた。
「僕もいたんだよ彼の葬式に。」
「お、お前らはどんな繋がりだったんだ?」驚きを隠せないまま、俺はそう言った。
「僕らの繋がりは、君には教えられない。」
「どうしてだよ」
「いつかわかる。僕と君が、アイツの分まで夢を叶えた時、その答えはきっと分かるさ。」
「分かった。その代わり、絶対飛ぶぞ。空を。」
「もちろん。」
空を飛びたい 雨岸 有斗 @AmagisiYuto4096
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