主人公は女子高生――の周りにいる名もなきモブキャラさんたち!

秋津北高校に通う一年生、御堂和音が同級生から告白された。たったそれだけのことから始まったのは、御堂和音を中心に据えた大げさでささやかな群像劇だった!

あらすじ短めですが、内容は超濃厚盛り盛りです! なぜならこのお話、告白事件の被害者(?)でもある和音さんではなく、彼女と直接的、間接的に関わるクラスメイトや他校の高校生……すなわちモブのみなさんが主役なので。

みなさん、和音さんとの距離感がちがいますし、そうであればこそ当然、立ち位置もちがいます、だからこそ、同じ和音さんを見ていながら心情の温度もまちまちなのですよね。みんなちがってみんないい、じゃないですけど、これだけバラエティな群像を描ける筆力の高さ、讃えるしかないでしょう! そしてそのバラエティさが、輪の中心に在る和音さんを鮮やかに浮き彫っていることも見逃せません。

モブなのに個性輝くキャラクターたちの有り様と、和音さんを巡る物語の行方、どちらも超気になる作品ですよ!


(新作紹介 カクヨム金のたまご/文=髙橋 剛)