&α 戦いの後で

「いやあ、凄かったです。音声通信ボイスチャットいいですか?」


「ええ。私も色々聞きたかったです」


「あら」


「おっ」


「まさか女性だとは思いませんでした」


「わたしも。女子会遭遇戦だったんですね」


「やっぱり、見られてました?」


「はい。索敵が生きてたので、その差だと思います」


「こっちの索敵、応答なくなっちゃってて。その分で反応遅れちゃいました」


「撃ち始める前に撃ち合いの勝敗が決まるゲームですからね。不思議なもんです」


「でも、たのしいですよこのゲームは」


「そうですね。リアリティがあって」


「でも、現実ではこんなに簡単に人の命はやりとりできないっすよねえ」


「それが分かってるだけ、あなたは偉いですよ。世の中にはゲームの意味を知らずにゲームを禁止させようとする輩もいますから」


「いいんですよ。そういうのは放っておけば。いざというときに使い物にならないんですから。資本主義ですし、売れれば官軍ですし」


「ドライですね」


「じゃないと生き残れないので」


 互いの距離。詰まってきている。まずはフレンド申請から。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ウォーゲーム 春嵐 @aiot3110

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ