時空を渡り、世界の歪みを「切り取る」少女たちの戦い

 純白の衣装を纏い、巨大な「絶対裁断のキリトリ鋏」を振るう黒髪の美少女「冬壁希未」(貧乳)
 漆黒のパーカーがトレードマーク。全てを歪める大鎌「歪曲葬送曲」を持つ白髪の美少女「夏樫小雪」(巨乳)

 この二人の美少女が時空を越え、数多のパラレルワールドを歪ませる「異質物」を処理していくというのがこの物語のあらすじですが、いわゆる普通のSF作品とは違います。それぞれのストーリーが独立したオムニバス形式です。

 不死身の肉体を持ってしまった高校生の恋や、全ての料理がチキンライスに見える男。銀河を旅するSLの話もあれば、ちょっとエッチな盗撮の話もありますが、エピソード毎に感じる雰囲気や印象が大きく異なっていて、オムニバスと言うよりは短編集を読んでいるような気分にさせられる。

 もしかして作者は「異なる世界」を描くために「作風の違い」を演出しているのではないか。そんな気さえしてくるほどムードを変えてくる。

 その多彩さがこの作品の最大の魅力だと思います。

 個人的にお気に入りのエピソードは「太陽系超特急」で、とある少年が青年になるまで心にあり続けた夢と思い出と、そこに介在した夏樫の物語には胸が熱くなりました。

 最新のエピソード「オリジン・デパーチャー#2」では自分を世界から切り離し、寄る辺をなくした冬壁の物語が掘り下げられ、度々現れる「ハイエスト・チェア」の謎も未だ明かされず、作品はまだまだ続いていく気配。

 これは作者のみぞ知るところではありますが、今後も続いて行くであろう冬壁と夏樫の活躍を是非お楽しみ下さい!
(ちなみに関連する短編もありますので、そちらも是非チェックして下さいね!)

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