英会話教室に行った話
河童
The Canary Wharf 的な気分
夜空がきれいな街。
40階から見える街の夜景がきらめいて見えるのは、このレストランフロアの雰囲気がそうさせているのか。それとも、それを
「でさぁ、
「拓がそう思ってるだけじゃないの?」
拓は仕事がちょうど終わったところらしくて、スーツのまま私をディナーに連れてきてくれた。本人は恥ずかしいって言ってるけど、これがまた似合ってるからズルいのだ。しっかりと着こなしたスーツに、彼が時折見せる真剣なまなざしが見事に均衡する。そんなことをいつも意識してるからなのか、付き合って数年が経つのに二人で話すのはどこか落ち着かない。
「意外だったなー、海外には興味ないって前に言ってたのに。なんの前触れもなく英会話教室行ってきたとか言うんだからさ、私驚いちゃった」
「うん? 俺は外国とか興味ないよ」
「じゃあなんで?」
「春香こそ前に言ってたじゃん。ロンドン行きたいなー、って。二人で行くんだったら、最低でも俺は喋れるようになってないといけないだろ、英語」
「えっ?」
私が戸惑う様子を見せると、彼はわざとらしく微笑んだ。
「新婚旅行、ロンドンはご不満でしょうか?」
英会話教室に行った話 河童 @kappakappakappa
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます