第36話誕プレ選び2

真瀬がバイトを終えるまでに誕プレの候補になりうる物をスマホで検索した。

高校生でも金銭的に無理ではない、夏花が一度呟いたに目を付けた。

私服姿の真瀬がバイト先から出てきた。

「お待たせしました。香河先輩、行きましょう」

「そ、そうだね。行こうか、真瀬さん」

俺は、彼女の歩幅に合わせ歩きだした。

隣を歩く彼女は、澄ました顔をつくり手を繋ごうと触れてきた。

夏花の手であれば、何度も触れたことがあるが彼女に触れられることはあまりない。

澄ましたとは言えないほど、頬が緩んでいる顔の彼女。

「ひゃっ。えっ!いい......んですか」

俺が彼女の手を握ると同時に小さく可愛い悲鳴をあげて、訊ねてきた。

「握りたかったんでしょ?良いよ、このくらい」

「あ......ありが、とう......ござい、ます」

照れたようで視線を逸らし、小さくお礼を言う彼女。


ショッピングモールに着いて、コスメ店向かうことにした。

俺は、コスメ店で目当ての商品を手に取る。

「ボディミストですか?良さそうですね、コスメなんて気にしてない風を装っていたのに......夏花」

彼女が覗き込み、そんなことを呟く。

「一度だけボソッと呟いただけで。真瀬さんの考えているほどじゃないよ、多分だけど」

ひとさし指で頬を掻きながら、彼女の言葉に返した。

「他にはどんな物が──」

「真瀬さんがあげなよ。ボディミストを」

俺は、彼女の言葉を遮って、手に持っていたボディミストを渡した。

「でもっ、これは」

「良いよ。他に候補は幾つかあるから」

「分かり、ました......」

彼女は、プリメイロアモールの香りのボディミストを手に支払いに向かう。


俺はっとぉ、であれば間違いなく喜んでくれる筈だ。


俺が渡す誕プレは夏花の誕生日に。


夏花であればきっと──。


《終》


キャラの今後が気になる方は呟きの方をご覧ください。(補足も多少······)




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幼馴染みに嫌われるが、全く身に覚えがない! 闇野ゆかい @kouyann

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