英雄の帰還
前回の更新から、半年あまりが経った。
その間、作者もみなさんも本当に色んなことがあったことだろう。というか、そもそもこの作品の存在を覚えていないであろう。
「久しぶりに帰ってきたぜゴルァ!!」
「ゴキブリ並の生命力……」
それでもいい。
深夜戦記は今、復活したぜ。
「な、マイキー」
「ちょっと捻った異世界ラノベは大コケし、最近連載を再開した藤宮カレンシリーズも評価が振るわない無能作家こと
「辛辣!!」
「お前もそのカスが生み出した汚物のひとりなんだよ!」
つーか話しかけたのはライデンだろうが──というツッコミは無しにして、久しぶりの出番となるマイキーはやはり全裸であった。
「もうツッこまないから」
「僕たちが全裸でないと、読者様も不安だろうと思いましてね」
「そんな配慮要らねーんだよ!」
「いや、ライデンも服を着て欲しいんだけど……」
一話のシリアス感満載のガキとか、おちんちんフェスティバルはどうなったんだとか、そのような質問(苦情90%配合)は受け付けていない。完結すると言っておきながら、結局痛々しいボツネタ回顧以来半年以上も音沙汰無しだったのだ。
復活しただけでも褒めて欲しい!!(本音)
「……ちなみに、今更どうして連載を再開したの?」
「それな。『物語以下の駄文』だとか、『小説を汚すな』とか言われまくったクソ小説なんて誰も見向きしないだろ」※実話
「それ、作者が青い鳥のフォロワーと学校の先輩に実際に言われたセリフらしいですよ」
「あいつのメンタルどうなってんだよ!?」
「それ言われてから更新するとかメンタルが薄汚い鋼でコーティングされてんのか!?」
そして、と。
マイキーは何やら意味深に微笑んだ。
「今からお○んちんフェスティバル主催者を成敗しに行きます」
「思い出したかのように本編に戻ってんじゃねーよ!!」
せめて綺麗に完結させたいと言わんばかりの強引なプレイに、二人は動揺を隠せない。
「そもそも読者さんは深夜戦記のことなど忘れているのでは……?」
「間違いねぇ」
「では(無視)、さーん、にー、いーちで本編が開幕するので。それに合わせて演技お願いします」
「フィクションでフィクションを全面に出すな」
という訳で、お〇んちんフェスティバル、再び開幕。
*
「……あの、サユキ様」
「うん……?」
《前回のあらすじ》島の周りに柵が誕生し、お〇んちんフェスティバルの参加者が島に取り残されてしまった。
どれが一グループになるまで殺し合いをしなければならない……《あらすじ終わり》
そうだったはずだが。
「あそこにいるおばさんの連絡先を貰ってきてくれませんかね?」
「無人島で熟女探しするな!!」
まるで能天気であった。
「なんで私にへりくだってるんだろ……っていう疑問が一瞬で解決したわ」
「青空の下で、多数の男女が島に取り残されるんですよ? ────────ヤッて当然でしょう」
そうして、マイキーは全裸になった。(いつもの)
マイキーのJr.が、恥ずかしげに顔を出す。
「隠語を駆使して制裁を免れようとするなんて……この小説の意固地の悪さが透けて見える見える」
「今回は俺も服を着てるからな。さすがに自重だろこれは」
「『自重』……?」
ライデンが笑ってそう言った後、マイキーは大声で怒鳴った。
『ドン!』
「ふざけるな!!」
「お前や!!!!!!!!!!!!」
少し食い気味に、ライデンも声を荒らげる。
黙れドン太郎も涙目の擬音の使い方に、読者の八割はブラウザバックを連打して退出する。
PVはみるみる減り、やがて作者の作家生命も朽ちていく。
「良い流れです……!!」
「良くねーよってツッコミはしないからな……つーか、擬音語というよりはギャグのクソ加減で敬遠されてるんじゃねぇの?」
「マジですか! 敬遠されるなんて、頼れる主砲──四番の証です」
「お前大して野球知らねーだろ!!」
「そういうとこだぞ(呆れ)」
ようつべのコメントの返信欄並に不毛な会話はさておき、四人(カナタさんもいるよ!)の周りでは争いが勃発していた。
「俺は助かりてぇからな。おとなしく死んでくれってことだ」
「あぁ!? そっちが死ねよ! オレたちにはまだやることがあるんだ!」
参加者が石や枝をぶつけ合い、草原の上で殺し合いが始まろうとしていた。
そういえばデスゲームなう(2021/03/28 17:04:35)だったんだなぁ……などとサユキが思い出していると、
「待ってください、皆さん!! お〇んちんというネーミングだけで参加した我々が、どうして争い合っているんです!?」
「マイキー……!!」
正論なのか暴論なのか分からない論理展開で、マイキーは彼らの間に割って入っていった。
「ちょ……お前服着ろや!」
「おっ急に正論」
「申し訳ありません。あの柵を壊して、主催者たちを懲らしめるためにも、衣服を犠牲にしなければならなかったのです……!!」
──んな話あるか。
そう思っていた三人だが、
「なるほど……分かった。ひとまず争いはやめよう」
「みんなー! 今からこの男が私たちをあの野蛮共のゲームから救い出してくれるそうだ!」
あぁ。
察した。こいつら全員バカだわ。
「ていうか女子勢は私とあのオバサンだけなのか」
「早く連絡先を貰ってきてください」
「自分で行け!!」
「全裸特攻はツイッターだけにしといた方がいいからな。ここは日頃の感謝も込めて、サユキが行った方がいいんじゃねぇの?」
ライデンの意見にむぅ……と言って、やがてサユキは全裸変態に命令した。
「じゃあ死ね」
「真理!?」
「サユキに言われても興奮しないですって。まったく」
「思春期の中学生並みに妄想力エグイなこいつ」
相変わらず話が進まないが、そんなことは気にせずにマイキーは勃ち上がった。
「では、柵の破壊を」
「待て。ここはオレに任せろ」
「あぁ、黒髪ホストのイケメンだけど存在感が空気のカナタさん!! お願いします」
「殺すぞお前」
カナタはワイシャツを脱ぎ上裸になると、
「次回へ続く」
「は?」
「もう疲れちゃいました」
「全裸の話しかしてないじゃん……!!」
「次回は一年後くらいですかね」
「冗談に聞こえないから止めろや!」
そして上裸カナタは『とぅーびーこんてにゅーど』と書かれた看板を持ち、そのままこの話も終わりを告げられのであった。
《次回へ続く(多分)》
深夜テンションとは偉大なものであるなぁ戦記 若宮 @Wakamita-Hajime
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。深夜テンションとは偉大なものであるなぁ戦記の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます