バルーンバルーン

 アパートの窓からぼーっと外を見ていると、向こう側をゆらーっと人が通った。ここで問題なのは私の部屋は六階だと言うことだ。

 話し掛けようか迷ってやめた。よく知らない人間に話しかけられるとあちらも困るだろう。ゆらーっと通る人は六階なので当然宙に浮いている。手足は投げ出された格好だ。クレーンゲームのクレーンに背中を摘み上げられた体勢である。

 その人の腰には何重も紐が巻かれている。それはいくつもの風船につながっているのだった。

 ……楽しそうだ……。謎のくやしさとママ私もあれやりたい! がせめぎ合う。それと同時に何か引っ掛かった。こういうふうに飛ぶ気球タイプをみたことがあるような気がした。

 考えているうちに風船宙吊り人は視界と窓枠の外へと消えた。それから更に数分後、思い出してスッキリした。

 ネプリーグだ。パーセントでバルーンが割れるやつ。

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私と誰かとやっぱり誰か 草森ゆき @kusakuitai

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