第4話 えーとえーと、送信しちゃえ〜〜〜。

 最初さっぱり分からなかったオタク男子の会話。


 小百合たち女子の目もあるから直接聞けないし。


 しかも真面目一辺倒だと思われている堅物な学級委員長の私だか

 ら尚更聞けない。


 興味がある素振りなんて見せられない。


 オタク男子達はゲームタイトルを言わないからこのゲームに入るま

 でに何回も違うゲームダウンロードしちゃった。


 毎日聞いているとゲーム特徴も分かってきてやっと探り当てた

 ゲーム。


 でもゲームに入れば即ヒロシ君達に会えると思っていたら大間違い

 で王国番号や城のある場所の座標や軍団名と更には城の名前も知ら

 ないと巡り合えない事が分かって、毎朝毎朝、オタク男子の会話に

 聞き耳立てた。


 会話の端々から全ての情報を得て、ゲームに新規登録する日はドキ

 ドキした。


 私だと分かるとまずいので名前も考えた。


 名前はマカロンにした。


 新規城の登録先は王国番号指定して、ヒロシ君の城の側の座標を

 セット。


 これで私の城がヒロシ君の側に出現できた。


 新参の初心者城は5日間は自動でバリアが張られて守ってくれる。


 そして最大の難関はヒロシ君達の軍団に加入させてくれるかなんだ

 よね。


 城デビューした次の日、オタク男子の会話が気になって気になって

 仕方なかった。


「昨日、初心者城が俺らのエリアに出現したよな」


「あれ、きっと女の子だぜ、だってお菓子の名前だろあれ、マカロン

 って」


「女子〜俺らの団に加入してくれないかな〜」


「なら招待状を送ろうぜ」


 思い悩む程も無かった。


 今夜が楽しみ!


 もう1日中落ち着かない。

 こんなに気持ちが高揚するなんてあるんだね。


 放課となった瞬間に私は教室を飛び出していた。


 周りのみんながびっくりしている雰囲気が背後から伝わってけど気

 にしない!


 夕飯を早々に済ませて二階の部屋に駆け上がる。


 アイPADの電源入れてゲームを起動する。


 ゲームのメールを確認するけどまだ来てない…。


 待ち遠しい〜。


 下からママのお風呂コールが聞こえる。

 お風呂先に入ろ。


 部屋に戻ったのは9時だった。

 早速、メールメール。


 三通来てた!

 えーとえーと、初めまして私めは中国人のフォーです。

 女性大歓迎、私と一つになりなさい、感謝感謝。


 うー日本語変〜中国人だ。


 アキラ君はカイザーって名乗ってるからフォーこれは違うね。


 次!

 我が団に参加されたし。強き団に共に育てましょう!

 バロン フンコロガシ。

 

 うー違う糞転がしじゃない!


 最後、三通目。

 俺らの団に入りませんか。初心者大歓迎!

 ビクトリーカイザー。


 ビクトリーがついているけど、これだよね。


 承認通知にコメント書いてと。


 えーとえーと、お誘いありがとうございます。

 

 何も分かりません女子ですがご指南ご指導ヨロシクお願い致します。

 

 でいいかな〜

 

 送信しちゃえ〜〜〜。

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学級委員長は憂鬱なコマンダー。 ふぁーぷる @s_araking

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