簡単な問題(旧)

雨世界

1 こら、喧嘩しちゃだめだよ。みんな仲良くね。

 簡単な問題


 登場人物


 小さな命。……とても大切な命。


 吉田めー 高校生 少女


 堀川ゆう 高校生 少年


 吉川愛子 高校の保健の先生 いつも、白衣をきている


 プロローグ


 大丈夫だよ。心配しないでね。


 男の子と女の子


 あるところに、とても孤独な男の子と女の子がいました。

 ふたりは雨の日にお互いにびしょ濡れになりながら出会い、それからすぐに友達になりました。

 友達ができて、ふたりは孤独ではなくなりました。

 だからふたりは、それから幸せになりました。

 ひとりじゃないから、……とっても、とっても、幸せに、なりました。


 本編


 みんなが笑顔になる。そうなったら、いいよね。

 

 震えるよ。嬉しくって、……心が、体が、震えてる。

 君のことを愛している。……僕の魂が震えるほど。


 君と(あなたと)、手をつないで


 この世界に、あなたと私がいる。

(この世界に、僕と君がいる) 

 二人はこれからも、……ずっと、ずっと、一緒にいる。……きっと、絶対。

 そんなことを、強く願う夜がある。(あなたのいない一人の夜だ)


 簡単な問題


 それはきっと、とても簡単な問題なんだよ。答えはみんな、知ってるようなさ。すごく簡単な問題なんだよ


 こら、喧嘩しちゃだめだよ。みんな仲良くね。 


 ……おやすみなさい。


 君は、どんな夢を見る? (もっと、楽しい夢を見ませんか?)


 あなたのことが大好きです。

 そう簡単に言葉にできたら、(あなたに伝えることができたら)どんなに素晴らしいことだろうと吉田めーは、夢の中で大好きな堀川ゆうくんに告白をしながら、思った。(もちろん、そんなことが現実の世界で、できるわけないのだけど)


 小学生のころ、めーはそんな大好きなゆうくんの夢ばかりを見ていた。


 吉田めーが、自分が妊娠していることに気がついたのは、十六歳の高校一年生の年の、ある六月の日のことだった。

 ……まあ、心当たりはある。

 妊娠するような行為を、確かにめーは経験したことがあった。(それはとても素敵な経験だった)

 相手は、めーの恋人である堀川ゆうくん。


 めーは大好きなゆうくんと、結ばれた。

 その日は、……静かな雨が降っていた。


 世界には、めーとゆうくんの二人だけしか、いなかった。(……今、思い出してみても、すごく恥ずかしかったけど、それは本当にとても素晴らしいな体験だった。人生で一番楽しかった瞬間だった)

 

 めーがゆうくんと付き合い始めたのは、高校一年生のときだった。

 二人が知り合ったのはもっと、もっと前のことで、二人は同じ小学校の同級生の関係だった。

 

 めーはずっとゆうくんのことが大好きだった。

 だから、中学校の卒業式の日に、ゆうくんから恋の告白をされたとき、めーは本当にこれが現実なのかと、世界をうまく信じることができないくらいに、嬉しかった。

 

 めーはもちろん、ゆうくんの告白を「はい。よろしくお願いします」といって受け入れた。

 そして二人は晴れて、恋人同士となって、同じ高校(県内屈指の進学校だった)に進学をした。

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