冬物語

緋糸 椎

❄︎

「結局、冷めちゃったのよ」

 彼女が思い詰めたように語った、その一言が全てを物語っていた。

 僕は何も言えず、降りしきる雪を眺めていた。彼女に告白したのも、こんな雪の日だったっけ。

「うん」という返事が僕の心をあたためてくれた。

「じゃあ……行くね」

 手の平に落ちた雪のように、愛が溶けてゆく。

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冬物語 緋糸 椎 @wrbs

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