透明な僕とお前

作者 saw

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★★★ Excellent!!!

6,300字の読みやすい短編で、すごく自然に物語が進んでいき、ラストはあっと驚く仕掛け。
ネタバレになりそうで細かな点に言及できませんが、男の子と女の子の掛け合いはラブコメのように軽やかでいて、下地にはいじめというテーマがあるので軽すぎず、二人の距離の変化がありありと分かる甘酸っぱさでした。
素敵な物語をありがとうございます!

★★★ Excellent!!!

終始、理不尽が根底に流れ続けるが、印象が前半と後半で大きく異なる。
物語の行き着く先はまったく予想だにしなかったものでした!

偶然か必然か、突然始まった二人だけの世界。
不思議な友情が見せるのは、慰めか奇跡か。
主人公の斜に構えた態度と積極的なヒロインという王道スタイルでありつつ、個性のある内容でとても面白かったです。

★★★ Excellent!!!

私がこの物語に対し感じたものは、その"鮮やかさ"でした。鮮やかと聞いて違和感を抱く方もいるかもしれません。しかしながら、物語全体を覆う陰鬱とした雰囲気の中にある一時の温かい情景。そのギャップこそが、私が感じた"鮮やかさ"でした。そして、その"鮮やかさ"は"美しさ"への昇華を果たしている様にも取れました。表現についてですが、全体を通して淡々としてはいるが、まとまりは有り、クライマックスであるシーンの行間の使い方に関しては、臨場感が有り非常に読者の心掴むものになっていました。全体として、非常に良い作品であり、結末を知ってからも、もう一度読んでみたいと感じさせる物語でした。

★★★ Excellent!!!

まさかの展開に驚きました……
二人の関係がこうなろうとは。
意外性もあって、かなり面白かったです。

心理描写も丁寧で、まるでドラマを観ているようでした。
短編でこのまとまりの良さに収まっているのも素晴らしいです。

読めて良かったと思える作品でした。

★★★ Excellent!!!

 この作品は最初の内、まるで薄い膜の内側で展開されているかのような違和感を覚えるものです。

 学生という小さな社会に属する主人公。彼は理不尽な理由から虐めにあい、孤立し、その心の傷を隠したままに引き籠る生活を送っていました。

 しかし、久し振りに登校を決意し、迎えた教室。そんな或る日の朝。彼がいじめに遭う理由を生んだ張本人、間接的な加害者である"彼女"が自分と同じ境遇にある人間だという直感から思わず、話しかけてしまった主人公。

 ―――ねぇ。

 そんな主人公の言葉に思いがけず食いついてきた"彼女"より友達になることを持ちかけられ……。

 最初は自身のいじめられる原因となった"彼女"に嫌悪感すら抱いていた"彼"ですが、次第にその嫌悪感は薄れ、好意へと変わり、煽り合いながらも笑みを浮かべるまでに縮まった彼らの距離は青春の一ページを彩り、かけがえのないものにまで高まっていくのです。

 さて、彼と彼女は謂わば、同じ場所にいる似たもの同士であり、同じ痛みを分かち合える自身の片割れのような存在にまでなっていく訳です。

 最初に感じた違和感とは何だったのか、そんな彼らの結末がどうなるのか。それはこの物語を読んでみて、是非ご自身の目で刮目あれ。

 最後にこんな素晴らしい物語を描ける作者さんが益々のご活躍を遂げますよう、お祈り申し上げます。

★★★ Excellent!!!

 いじめにあい不登校になっていた〈僕〉水野が久しぶりに学校に行くと、その根源になっていた、当時、みんなの人気者だったはずの桐野がいじめにあっていた。

 周囲から無視されることに耐えているように見え、思わず、僕から声をかける。
 人気者だったはずの桐野は、そのことに驚き、そこから、奇妙なふたりの関係が始まった。

 この物語の僕は、不登校を嘆く母親の姿を見て、そこから抜け出す努力をするほどの、優しい性格なのです。
 でも、自分の不登校の原因を作った桐野に対して、こころは寛大すぎる気がするのです。簡単に赦せるわけない……と。
 たぶん、皆さまだって、そう思うに違いありません。

 僕が話しかけたことをきっかけにして、いろいろつきまとい始めた桐野。
 こちらも、いじめの原因だったことを忘れてるの? と思うでしょう……。

 皆さまは、その疑問を抱えたまま、ラストまで読み終えてください……。謎はなぞのまま、本文はエンディングを迎えますが、そこで考えてください……。
 書かれていない物語の中に、何が見えますか……?