鮮やか

私がこの物語に対し感じたものは、その"鮮やかさ"でした。鮮やかと聞いて違和感を抱く方もいるかもしれません。しかしながら、物語全体を覆う陰鬱とした雰囲気の中にある一時の温かい情景。そのギャップこそが、私が感じた"鮮やかさ"でした。そして、その"鮮やかさ"は"美しさ"への昇華を果たしている様にも取れました。表現についてですが、全体を通して淡々としてはいるが、まとまりは有り、クライマックスであるシーンの行間の使い方に関しては、臨場感が有り非常に読者の心掴むものになっていました。全体として、非常に良い作品であり、結末を知ってからも、もう一度読んでみたいと感じさせる物語でした。

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