芸術とは業が深い

タイトルだけを見るとなんかホラーみたいですが、美術部員の主人公とその恋人が写生会に行くお話です。

とにかく主人公の心情が繊細に、かつ生々しく書いてあり読んでいるだけでも引き込まれると言いますか、主人公の気持ちが伝染してくるような感覚を思いました。

約百年前に活躍していたモネという画家は、亡くなった奥さんをモデルに人物画を描いてから二度と人物の顔を描けなくなったと聞いたことがあります。小説や他の芸術もそうですが、絵を描くという行為は魂を時に魂に傷をつける。それなのに描くことを止められない。

芸術とは、本当に業が深いですね。