第41話 原付二種でゴトイチ!(五島福江島一周記)7

 清々しい朝、六時に起きてお散歩。

 目的地は目の前のフェリーターミナルと常灯鼻。

 ここは徒歩で行きますよ。

 まずはフェリーターミナルでお土産を買えたらな、と中を覗くもまだ開店前。当たり前か、と停船している船を眺めながら港の先へ行ってみる。


 海が綺麗やわ、と何度も感動し、船を身近に見ることがあまりない私たちは興味津々で船に近づいてみる。

 途中、海の男っぽく(?)港に必ずある、足を乗せるアレ、に片足を乗せて格好を付けてみる。ちなみに、アレ、の名前はボラードって言うらしい。日本語では係船柱(けいせんちゅう)。調べるまで聞いたことあらへんかったな。


 格好つけることに満足したら、すぐ近くの常灯鼻を目指す。

 目の前に見えているけど、回り込んで歩かないといけないので、橋を渡って漁港の側へ。

 途中クラゲを見つけて撮影大会。なかなか上手く撮れず、どっちが上手か言い争いになりながら漁港に到着。朝早くに、もう仕事が終わってしまったと見受けられる若者たちがたむろしているところを抜け、常灯鼻へ到着。


 常灯鼻は石造りの防波堤でもあり灯台。

 上に神社があったのでお参りして(旦那様がね)、しばらく海と海の向こうに見える島々を眺めて過ごす。


 そろそろ時間だ。


 私たちは朝食バイキングという強奪戦へ向かわなくてはならない。

 決死の覚悟を持って臨むのだ。


 さてさて。

 丁度良いサイズ感のバイキングでお腹を満たし、私達は部屋へ帰ると荷物をまとめる。

 ありがとう、綺麗なGOTO TSUBAKI HOTEL。


 バイクには荷物を積まずにフロントへ預けて、さあ出発。でもガソリンがあと一メモリ。カブ乗りなら絶対に給油するところだけど、旦那様が大丈夫、と言うのでそのままバイクを走らせる。

 うん、今日もいい天気や。


 さあ、これから一番気になっていた鬼岳へ向かいます。

 スクーターはシフトチェンジがないので、アクセル回すだけでブンブン進んでいく。けれども、結構な爆音がするような?

 小心者としてはもうちっと静かな方が嬉しいんやけど。


 ブンブン言いながら、空港の方の道を行き、山側へ入る。

 坂道もへっちゃらの125cc。

 鬼岳の駐車場にバイクを止めて、階段を登って上がってみます。流石に全部は登らず、眺めの良いところで写真を撮る。

 どこか外国の景色みたい。

 ちなみに、その時撮った写真が初期の頃のウィンドウズの背景写真みたいやったので、うちのパソコンの壁紙にしています。これって案外笑ける。


 なんか観光バスがやって来て、団体さんが登ってきたので、次の目的地へ向かいます。

 その前にトイレ。

 ここにはちゃんとトイレと自販機がありましたよ。


 さて、お次はあぶんぜ溶岩海岸。

 ここはハワイのような溶岩の海岸が楽しめる場所で、展望台から見える景色はどこからどう見てもハワイ。

 がっつり写真に収めて、じーんと感動を胸にしまう。

 パスポート無しでハワイに来た〜って喜んでたら、また団体さんが。

 どうやら目的地がかぶってる。


 そそくさと次に出発。

 今度は香珠子ビーチ。

 実はここの目的はソフトクリーム!

 絶対食べるで、と鼻息も荒く乗り込む。


 途中、少し迷いながらなんとか到着し、バイクが止められる場所に置いて草をかき分け降りていく。ふと見上げると、違う場所に正規ルートがあるような、ないような?

 細かいことは気にせず、海の家っぽいところを抜けてビーチに。


 なんじゃこりゃ。


 最高のビーチやん。


 またまたビーチの美しさに言葉を無くしてしまう。

 砂の間を川のような水が流れ、それが海に向かって伸びていく。そして海は透明な水色で波が白く泡立つも、どこまでも水色が続いている。


 泳げないけど、泳ぎたい。

 ここなら一日いても飽きないかも、と今日帰らないといけない我が身を嘆く。


 眺めを堪能してビーチを後にし、お土産屋さんがある場所に登っていく。

 まだ開店前かな、と心配しながら中へ入るとちゃんと営業してた。


 あれこれ選んで、お土産ゲット。ここが一番買いやすかった!

 バイクに乗るかな、と心配しながら、ソフトクリームを食べようと販売コーナーへ行く私に伸びてくる不吉な影。


 がしっと旦那様の腕の中に頭を持っていかれる私。

「ソフト食べなあかんやん」

「食べたらあかん」

 そんな言い合いをしながら、どんどん店から連れ出される私。


 ぐすん。

 私はいつも旦那さまにソフトを邪魔される気がするな。

 結局ソフトクリームを食べることなく、地図で見つけたビーチに行ってみようと言うことに。

 旦那様のナビで町(!)中を抜け、なんと行ってみたかったスーパーを横目にどんどん進む。スーパー行くには時間が足りないから、断腸の思いで素通りやからチラチラ名残惜しくミラーに映る後方に消えていくスーパーを見続ける。

 はい、さすがに危ないので前見ますよ。


 なんだか訳の分からない田圃道を突切り、アクセル回す度にゼロまで減りそうなガソリンメーターを気にしつつ、民家のある道へ入っていく。

 確かに海はあるけど、ビーチじゃない?

 グーグル先生の巧妙な罠にかかった私達は防波堤を見ながら、「ビーチ?」と視線を合わせ、『ビーチ』と納得して、もう帰ることにする。

 後で分かったことだけど、ビーチは対岸の防波堤に存在したらしく、グーグル先生の惜しいナビに負けた気になったのだった。


 ホテルへ荷物を引き取りに行き、レンタル屋さんの間近にあるガソスタでガソリンを入れてバイクを返却。

 実はスクーターの燃料を入れる場所が分からず焦ってた私でしたが、ガソスタのお兄さんが何も言わないのに全部やってくれて助かりました。


 空港へはレンタル屋さんが送ってくれます。

 とっても綺麗で若いお兄ちゃんがワゴンで送ってくれました。本当に美人でちょっとびっくりしたけども、それもまた良い思い出。


 さてさて。

 旅の終点(のはじまり?)、五島つばき空港。実はまだ時間が早くて荷物を預け入れられず、あれれ、とレストランで休憩。ここのミックスジュース、最高でした。

 なんとも言えない愛らしいプロペラ機で福岡空港へ。乗り継ぎまで時間があるのでここでお昼ごはん。広い空港は時間を潰すのにも快適でした。

 さて、今度こそ最後のフライト、伊丹空港まで飛び、無事に帰宅したのでした。


 楽しかった五島福江。

 また是非行きたい。今度は家族みんなで海水浴したいな。

 そして、メチャクチャ最高だったバイクツーリング。スクーターで爆走する島の景色の美しかったこと、そして美味しいごはん。

 バイクの楽しさは島を巡る楽しさと相まって、どんな観光地よりも最高の思い出を作ってくれました。

 ぜひぜひ、みなさんも五島福江でバイクツーリング、してみて下さい。

 雨の日とかがどんなんかは、知らんけど。


 

 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ずぼら日記 @nanami-tico

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ