私の体験した不思議な実話シリーズ

金国佐門

第1話「異世界の夢」



 こんな話より連載中の話の続きを書けと言われそうだけど。

 実体験のちょっと不思議な話を一つ。


 需要があるか謎だけど、もしあった時のためにここに記す。



 私はよく、異世界の夢を見る。


 いつのころからだったか。

 幼少期にはもう見始めていた。


 最初はよくわからない、実際に住んでいる地にどこかよく似た場所で起きたちょっと不思議な夢程度。


 最初は見慣れた場所で逃げる羽目になり最後は殺される夢だった。

 あの日本刀で切られた瞬間の一瞬熱くなって意識が遠のき無に至る不思議な感覚は今でも覚えている。

 まぁ、その夢の話はいづれ、需要がありそうだったら別の機会にでも話そうと思う。


 その頃はまだ他の夢も稀に見ていた。

 スタンド使いになったりアニメのキャラと一緒に戦う夢とか。


 ただ、昔から、けっこう一貫した、夢っぽい不条理さのないちゃんと最後まで破綻なく続く夢が多めだった。


 そしていつからだろう。


 異世界の夢ばかり見るようになった。


 毎回基本的には違う世界なんだけど、今日はあの世界。今度はまたあっちの世界、みたいに。


 いくつかの同じ世界の夢を見るようになり始めたのだ。



 そして、今日。


 2020年。6月26日。


 この日、久々にあの世界の夢を見た。


 あの世界。


 昔から頻繁に見ていた。


 始めてみた異世界の夢に通じる世界。



 第二次世界大戦でおそらく、異なる歴史を紡いだであろう、ちょっとだけ異なる日本の夢だ。




 一応言っておく。


 この話は実話である。


 私が実際に夢の中で見た異世界の経験を語る物語。


 需要があれば連載するかもしれないので連載形式にするが、需要が無ければ続きはたぶん書かない。


 オムニバス形式の一話完結型だから、この話だけを見ても問題ない。




 私は暗い夜道を歩いていた。

 夜だった。


 いつも歩く、新川という小さな川を渡るコンクリート製の橋。

 だがこの日は少し違った。


 橋の真ん中。


 川側に電話があるのだ。


 こんな所に電話があったらお金入れるときに川に小銭落としちゃわないか?


 そんな風に違和感を感じた時。



 あ、これはまた異世界の夢だ。



 と気づいた。



 橋の真ん中から先を見渡すと、いつもの景色とは違う。


 なんというか、街というよりは工事中って感じの雑多な感じの残る地に、いくつかの個人住宅が建っている。


 この景色は違う、と理解し、進む。


 おっさんとすれ違ったので「ここらへんにコンビニは無いですか?」と尋ねてみた。


 喉が渇いていたのだ。


 おっさんは不思議そうな顔をして「コンビニ?」とつぶやいた。


 しまった。この世界にコンビニは無いのか?


 と思ったがおっさんは「あぁ、なら連れてってやるよ」とフレンドリーに着いてきた。



 もしかしたら、この時にもう私は国の何らかの機関にマークされていたのかもしれない。

 そう、この世界は第二次世界大戦で異なる歴史を持つ軍国主義の世界なのだ。



 一軒家の個人住宅に案内され「ここだよ。不思議に思うかもしれないけどこの中を使いな」とおっさんに促され疑問に思いつつも家に近づく。


 どうみても一軒家。


 コンビニではない。


 家の形は日本家屋ではなく、こっちの世界の住宅建築と同じ。

 むしろ最新式のちょっとおしゃれな感じの建物だ。


 家の前には主人らしき男がいて、どうぞと促される。


 中に入ると、どことなくインターネットカフェのオープンスペースを思わせるテーブルがいくつかある。

 男性用のトイレと女性用のトイレも個別にあるようで、その入り口にマークがついている。

 小綺麗で人が使う事を考慮しつつも個人宅である感じをそこなわない。なんかいい感じのデザイン。

 けど、確かにコンビニっぽいというか、漫画喫茶と個人宅が融合したような不思議な内装だった。


 この辺の工事をしている人が良く使っている、という事だろうか。


 とにかく喉が渇いていたので自動販売機を探して屋内を探索。


 二階に上がると少年がいた。


 この家の子供らしい。


「自販機はここかな?」


 と奥を見ると。


「自動販売機は一階に移動したよ」


 と教えてくれた。


 どうやら間違って少年のライフスペース部分に入り込んでしまったらしい。



 なんか自動販売機は、前までは少年が個人的に使うものだったっぽいけど、みんなが使うように一階に移したっぽいようだ。


 本来はこの主人が趣味で個人的に購入したのだが休憩所になる過程で本来の意味に戻ったみたいな。


 そんな感じの事が思い浮かんだ。



 一階に戻ると「どうぞ」とジュースを奢ってくれた。

 缶ジュースだ。


 テーブルは相変わらずなんというか、漫画喫茶のオープンスペースを思わせる。

 めっさオシャレなデザインなんだけどね。

 複数人が使う事を考慮してるっていうか、個人宅にあるにしては他人が使う事を考慮したデザイン。


 で、ご主人や子供と色々話す。


 ここで異世界からやってきたことを伝えると「でしょうね」と言われた。


 やっぱコンビニ自体が無いっぽい。


 そしてこの反応を見ると、けっこう別の人も迷い込んでこのワードで見バレしている様子。


 で、とにかくなぜかこの世界について気になった。


 のでまず、アメリカとの関係を尋ねてみた。


 答えは「知らない」


 なんというか、どうでもいい、といった感じ。


 じゃあイギリスについては? と尋ねると。


 子供が「三角、イギリスはね、三角なんだよ。だから三角」


 起きてからこれを書く中でウィキで調べて見たけど、確かにアイルランドを一緒にすると全体的に三角形をしてはいるが……。


 主人いわく。


「あるのは知っている」


 表情や喋り方から、どうでもいいって感じのニュアンスを受けた。


 ので「北海道に住む人間の事なんて東京に住む人にとってはどうでもいい、的な?」と尋ねると、複雑そうな顔をしていた。




 私、なんかやっちゃいました?




「まぁ、そんなとこかな?」


 とだけ答えてもらえたところで、そろそろおいとまします、と出て行こうとした。


 というか、目を覚まそうとした。




 けど、目覚められなかった。




 次に目が覚めた時、私はこの世界の、この家の、裏庭らしき所にいた。



 車が二台泊まっていた。



 この家の奥さんらしき人から「なんだ。まだいたのかい」と声をかけられる。



 そして。



「こちらにいる間はどうぞ中に」と言われた。



 お邪魔します、と中に促されて入る。



 その時は気づかなかったのだ。

 というか気づくべきだった。

 ここが軍国主義の世界であるという事の恐ろしさを。



 で、なんかパソコンとか見せられた。

 最新式の自慢のノートパソコンらしく「こっちにもパソコンあるんですねー」みたいな事をうっかり口にしてしまい、めっさ睨まれた。


 なんていうか、異世界の文化なめてんのか? って思われたのかもしれないし、うちはそんなに貧乏じゃない、って思われたのかもしれない。


 ちょっと失言だった。



 ちなみに、10年くらい前にこの世界の夢を見た時。

 この世界、まだ昭和後期レベルの文明だった。


 っていうか、スラムあるし子供が河川敷の橋の下の川の中央にある柱部分に箱を置いて小銭を投げ入れあって一番多く入った子の勝ちで全部そいつがもらうみたいな遊びするくらい、お金とかの価値がわかってないレベルのガキがいるくらい文明がどうかしてた。


 乗り物も、五分後の世界の電車みたいな。

 乗り手の安全度外視で怪我しても死んでも自己責任みたいな世界だったし、下手すると電車というか公共トロッコみたいなので地下を移動してるレベルだった。


 最近はだいぶ小綺麗になってきた。


 前に来た時も異世界から来たこと伝えて捕まって……たぶんその時にその体の持ち主は脳いじられてこっちの記憶持ってかれたりしたんじゃないか、ってくらい。一気に文明レベルがおかしく変わったからね。


 ちなみに私のこの夢は、多分肉体ハック系。


 私の魂がその世界の誰かの肉体をジャックして体験してる……んじゃないかと思っている。

 根拠は無いけど。


 前の体の人すまんな。今でも実験体にされてこっちの世界を覗かれているのかもしれん。



 まぁさておき。


 テーブルに誰か人が座っていた。

 なんかすごい、偉い人っぽい雰囲気の人だ。

 なんていうか、軍人の幹部っぽい感じ。

 会釈して、主人とこの軍人、私とで同じテーブルに座って語らい風な流れになった。


 で、今度も国の事情が気になったので、今度は近場の国について。


 北朝鮮とはどんな感じ? と尋ねると、満面の笑顔で「良好ですよ」と答える主人。


 ……マジか。


 朝鮮は? と聞く。

 同じく超笑顔で良好な関係を築いております。だそうな。



 アメリカやイギリスとはえらい違いだ。



 で、韓国ではなくなぜか朝鮮と言ってしまっていた事に気づく。

 もしかして、この世界線では南北わかれてない?

 っていうかもしかして、未だに半ば日本の領地みたいになってたりするのだろうか。



 ……第二次世界大戦の結果次第でワンチャンあるよね。



「そうですか、私の世界では違うんですよ」


 と、こちらの事情をちょっと教えた。


 驚いた顔をしていた。


 で、ロシアについて聞いてみた。


「あの国と仲良くなんてできませんよ」


 みたいな事言われた。


 なんか冷戦中っぽい。


 やっぱり真逆ですね。こっちの世界ではうまくやってますよ? みたいな事を伝えた。


「そんなの嘘に決まってる。騙されてますよ。きっと」


 みたいに凄い形相で言われたので「ですよねー。私もそう思ってました」と適当に口裏合わせといた。


「そうなんですか、やっぱこっちの世界は良い国ですね~」みたいにリップサービスぶちまいた。



「いやぁ、良い世界だなぁ。私こっちに永住したいかも」


 とリップサービスで適当に言った瞬間。


 軍人の人がものっそい目でこちらを見て「申し訳ないが、それはできないんだ」と、懐からでっかい注射器取り出した。


 赤い液体が入った奴。


 液体入ってる部分が手のひらサイズなデカさ。


 それを首元めがけて突き刺される。





 あ、これヤバい奴や。




「おいとまいたします」



 そういって私は目を覚まそうとした。



 首にちょっと液体流し込まれた辺りで無理やり目を覚ました。




 あのまま目覚めなかったらどうなってたんだろうね~。



 普通に目が覚めるだけだったかもしれないし、もしかしたら……よくある異世界系の話みたいにあっちの世界に長い間閉じ込められてたりしたのかも。



 下手すると戻って来れなかった可能性ワンチャン?



 恐ろしや恐ろしや。




 といったオチを持って、私の今日見た夢の話を終わりとします。



 実話です。



 夢の話ですけど。




 もし私の見る夢の中の異世界話が気になる人は、高評価チャンネル登録、じゃないけど、見た感じ需要が多そうだと感じたら、別の話もします。




 需要が無くても書きたくなったら書くかもだけど。

 ネタはかなり沢山あるので。

 なんせ10年以上幾度となく色んな世界見てまわってるし。


 魔法のある世界とか、巨大な生物のいる世界とか、ね。



 そんな訳で、次がありましたらぜひ。







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