あとがき兼解説

 この「自分、みいつけた」は1985年4月に執筆開始、1985年7月に完成させた記録がノートに残っています。当時私は中学三年生で、初めて完成させたオリジナル作品でした(その後、それ以前の作品「くちびるに歌を持とうぜ!」を発掘しました)。

 今回発表するにあたり大幅に加筆、改稿しています。


 ・定子さだことやちよの年齢を高3から高1に変更。二人が部活に入っている描写がないのは本来受験生だったからである。

 ・ちからをやちよのボーイフレンドとして設定。それに伴い力の年齢変更。オリジナルではただしという名前で14歳、父親は別の名前だった。

 ・緑色の石、ピカーリマン、やちよの家庭設定、力のサッカー設定等の追加。


 本作の執筆に至るきっかけは記録にないので不明ですが、中国残留日本人孤児の親探しが当時頻繁に行われており、影響を受けたと思われます。その後1986年に同じモチーフで作られた特撮『超新星フラッシュマン』が放映されました。これが本作を公の場で発表しなかった原因のひとつかもしれません(後日改めて確認したところ、中学校時代の『読書・文芸クラブ』会誌に発表した物が出てきたので、前言撤回します)。


 今回記憶を思い出すキーとなる『ピカーリマン』については、80年代のテレビではワイドショーの後にアニメや特撮の再放送枠があったことが元ネタになっています。まもると力が心を通わすきっかけにまでなったのは良かったと思います。


 緑色の石に納められていたものは、地球帰還後の士のデータを記憶する装置で、再度接触することがあった場合、居場所を追跡するマーカーになっていました。マーカーは士の体内に残っていますが、士の唱えたデータフォーマットの命令で停止状態に入ったため、地球の科学では認識できない状態になっていると思われます。


 最終話、やちよの祖母として登場する「京極きょうごくかつら」は、私の別の作品『泥中でいちゅうはす』の登場人物の後の姿です。これは今回の改稿中に思いついたのですが、年齢は58歳になっています。かつらは結婚して1950年2月、23歳で娘のあかりを出産、あかりは結婚して1969年1月、20歳でやちよを出産というのが大まかな設定です。

 本作の登場人物及び『泥中の蓮』の横澤よこざわ姉弟のその後についてはいつか別の話で語れればと思っています。

 それでは、長々とお読みいただき、ありがとうございました。


 おまけ ピカーリマン設定メモ

 『宇宙からのヒーロー ピカーリマン』

 1969年の特撮ドラマ、全26話。68年の五輪サッカーブームが反映されている。

 ピカーリマンは宇宙警察の駐在員。地球名「球 光たま ひかる」。地球征服に来た悪の宇宙帝国ハデスと戦う。ピカーリマンと仲良くなる地球の少年は「足立 集人あだち しゅうと」。必殺技はピカーリシュート。

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自分、みいつけた 大田康湖 @ootayasuko

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