第53話

「そろそろ宇宙の話しに戻りましょうよ。え、それともできないんですか?天才科学者の宇界サマはただのギャルさえ抑え込めないと?ほお〜、ギャルに負ける天才科学者とは面白いですねぇ。ま、ボクなら簡単に事を丸め込めることができるでしょうけど。」


「...なんでいきなり出てきたんだ。」


「いやぁ、他の人ばかり登場していて少し出番が少なくなってきたので。ほら、ボクって一応煽りまくり系男子って設定じゃないですか。」


「煽りまくり系男子ってなんだ」


「なのでそろそろ煽らないと存在を忘れられるかと。あと、宇宙の話しに戻ってほしいというのは本当です。」


「あー、そーすか。でも今は勲を探さ無いといけないから。十中八九あのギャルの所だろうけど。」


「え、あのギャルの元に自ら向かうんですか?敵地に無防備に飛び込む様な人だとは...初めて知りました。驚きです。それでは...」



 そう言いながら御影は去っていった。輝羅々とは余り関わりたくないらしい。

 その割には会う度に煽りにかかっていたけどな。うん、わからん。



 ◆



 僕は取り敢えず輝羅々の部屋を探してみることにした。

 あいつの部屋は食堂に一番近い場所に位置している。もう少し遠くにしておけばよかったと、まぁ今更後悔しても遅いか。


 僕がノックをしようとすると、勢いよくドアが開いた。



「待ってたよ!ほらほらぁ〜!はやく中に入って!」



 そう言って輝羅々は僕の手首を掴んでくる。



「いや、僕は入る気は...いだっっ!?ちょ、その怪力握りしめられると骨が折れる!あ゛ぁあ!!更に強く握んな!血管が潰れるっっ!お前は僕を殺す気かっ!!」


「だって怪力とか言うんだもん」



 だもん、じゃねーよ!

 僕が輝羅々に握りしめられた部分は赤く腫れていた。おまけに見事に手形付きだ。

 暫くするとしびれてきた。

 .........つらい。


 そんな僕の状態なんか気にもせず、輝羅々は弱った僕を部屋に引っ張り込む。

 中央のテレビの前には、ごろごろとゲーム機を片手に寛いでいる勲の姿があった。

 完全にもてなされとるやんけ...

 


「勲、こいつになんか変なこと吹き込まれてないか?」


「変なことってなんだ?威龍さんはゲームの攻略法とついでに人体の急所を教えてくれただけだ」


 

 なんでサラッとついでに人体の急所を教えるんだよ。輝羅々はなにがしたいんだ。



「宇界、こっち〜!」


「いや、ちょっと急用―――」


「じゃーーん!アタシの部屋!どーよ?かわいいっしょ?」



 輝羅々の部屋は期待を裏切らずに、綺麗にドピンクだった。ベッドのフレームや棚、化粧台は白く、それ以外の小物、壁やカーペットはネオンなピンクだった。



「目が痛い」


「なんで!?かわいいじゃん!!」


「ネオンはないだろ...蛍光ペンで塗ったのかよ...」


「ちーがーいーまーすー!!ちゃんとピンクのものを探して集めたに決まってんでしょ!」


「...言っておくけど、女子っぽい=ピンクじゃないからな?」


「ゑ?」


「え?」



 本気で女子っぽい=ピンクだと思っていたのか...

 可哀想に。



「もう気は済んだろ。勲帰るぞ」


「ええ!?なんか、もっとなんかあるでしょ!(女子の部屋だ、ドキン...)みたいな!」


「これから暫く忙しくなるから邪魔しないでくれ。ジムにでも通ってろ」



 まったく忙しくはないのだが、こいつに付き纏われないためにはそう言っておいたほうがいいだろう。

 いや、一つ訂正しよう。


 王道事件の真相が100%明らかになったわけではないので、まったく忙しくないわけではないだろう。


 まぁ、漫画の一冊や二冊は読めるだろうから良しとしよう。




~後書き~


 投稿遅くなってしまい、申し訳ございません。


 忙しくなくなった矢先にスランプがここぞとばかりに襲ってきて思うように書けませんでした...


 もとから文章が上手い訳でも無いのにスランプが来ると壊滅的ですよ。

 終わりも中途半端なところで区切ってしまいましたが、そこは大目に見てくだされ...(*- -)(*_ _)ペコリ

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ニュー・ワールド 〜究極の面倒くさがり屋な天才科学者に、人類の運命を託して良いのだろうか〜 紅卿 @hamilton1799

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