作品の中身は基本的に会話劇で構成されているので、SF初心者でも楽しく読むことができると思いました。
ただ、読みやすさに重点が置かれているせいか、肝心のSF部分が薄味になってしまっているのが気になります。
たとえば、『エウロパ』で見える氷の大地の表現や、地球との違いなんかをもう少し詳しく風景描写で書いてもらえると、未知の惑星を想像する楽しみが深まると思いました。
加えて、文章の途中で急に辞書の引用文(例:衛星―――惑星の周りをウロチョロしている小さい星。 【例】月―――)みたいなものが挿入されてるのが気になりました。没入感が損なわれてしまうので、地の文に落とし込んだ方がいいと思います。