免罪符
ざらさらとしたものが暴れてる
この辺りでもがいてる
どこだ、胸の辺りだ そうだ
コレは一体何なんだ
虚無感に近い
からっぽの袋を内側から喰い破る様な
烈情 感傷 現象
ガラスの向こう側の映像
紙に滲んだ私生活
悲劇、喜劇、書き立てて
ソイツを掻き回す仕事
ソレを見た心無い者達が
口々に言葉並べて燃え上がる
自分の幻想 或るいは錯覚
妄想 想像 暴走
砂上の楼閣崩れ落ちて
残された兵士たちの怒りは何処へゆく
この子を見習え、この子になれと親達は口々にそう言う
この悲劇を見ろ、かわいそうだねと人々は口々にそう言う
その中の何割だ
心の底から共感られる人は
感情の押し売りするな
それで分かった気になって いずれ忘れてしまう
そんな免罪符なら破り捨ててしまえ
だから 小さな軍隊が
今日もナイフを手に取るのさ
悲劇だね 言われて嬉しい奴などいない
物語はまだ続いているのだから
人の意志は受け継がれていくのだから
たとえ 故人を忘れなければ
真の意味での死人など何処にもいない
失せろ 悲しみで笑いを取る仕事
物見やぐらで人の命
やり取りする偉さなど掠れて消えろ
この胸の内側で燃え上がる
烈情 感情 感傷
さぁ 立ち上れ
出来事の再現映像
紙が喋る個人情報
悲劇と謳われた事件の映像
ソレを見て
かわいそうだねと言う奴ら
笑ってそれ ただ見る奴ら
ほら 見なさいと押し付ける奴ら
かわいそうだねという言葉を
免罪符だと思い買い占めて
それで 自分を高めたと思うならそれは間違いで
何も変わらない
人の遺志を汲みたいならば
心に染み込ませて
刻ませて
ただ忘れるな
あんたらは、心の底からは何も分かりやしないのだから
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