廃墟的時代
むかしむかし
在るところに灰色の街が
ゆらよゆらよとありました
黒煙ボウボウ立ち昇り
廃墟の街が在りました
トンテンカン ゴウゴウと
音に混じり隙間を刺すように
聞こえるは赤子の咽び泣き
バラバラ ニヤニヤと
金札を数える声に雑ざり
轟響くは 笑い声
街を貫く川の下流じゃ
びゃあびゃあと 泣き声が止まらず
プカヨプカヨと 魚たちが仰向けに
覚めない夢を見続ける
ブカブカと灰色の雲に覆われた
鈍色の時代が在りました
哀しみと涙と金と笑い声が充満し
幾つもの思惑が交差する
廃墟的時代が在りました
昔々の御話です
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます