廃墟的時代

むかしむかし

在るところに灰色の街が

ゆらよゆらよとありました


黒煙ボウボウ立ち昇り

廃墟の街が在りました


トンテンカン ゴウゴウと

音に混じり隙間を刺すように

聞こえるは赤子の咽び泣き


バラバラ ニヤニヤと

金札を数える声に雑ざり

轟響くは 笑い声


街を貫く川の下流じゃ

びゃあびゃあと 泣き声が止まらず


プカヨプカヨと 魚たちが仰向けに

覚めない夢を見続ける


ブカブカと灰色の雲に覆われた

鈍色の時代が在りました


哀しみと涙と金と笑い声が充満し

幾つもの思惑が交差する


廃墟的時代が在りました


昔々の御話です

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