第21話「偽物の結末」
あの事件が起きてから明日で丁度一週間になる。
例年のこの時期ならば、謝肉祭も終わって、その余韻が残る年末のような空気感になっていたであろう。
対して今年の村は、どんより曇って今にも雨が降りそうな、この空そのものであった。
あれだけ大勢集まって来ていた商売人、観光客はほぼほぼ村から去り、残った村人たちも必要以上に家から出ない生活が続いていた。
いつも以上に活気のない村で、いつ事件が解決されるのか、今か今かと皆が待ち望んでいた。
そんな中遂に、英雄ミント・メモリアはギリヤナ国王陛下から正式に魔獣討伐の勅を受ける。
速やかに魔獣を討伐し、村と国に平穏を取り戻してほしいと。
ミントはその勅を受けた事を村の自警団の事実上の本部となっていたライザの家で発表した。
その場に居るのは…
ライザ、フィーラ、リィリィ、サイファー、リーゼロッテ、キャロル
そして昨日何故か怪我をして帰ってきたハピィであった。
村の自警団や王の兵士が魔獣に対して為す術なくやられてしまったのは記憶に新しく、それ故に個人の能力が高いこの中から討伐に赴く人を選ぼうと言うのである。
勅命の話を聞いて、一部はやる気に満ち溢れ、一部は消極的な反応を示した。
それぞれの反応を見てミントは即決する。
「決まりだね。討伐は僕とライザさん。リィリィ、リーゼ、キャロル。この5人にするよ。」
ハピィは怪我があるので勿論待機。フィーラさんはその見守り役。サイファーは自分にはそこまでの力はない、と辞退した。
メンバーも決まった所で、ライザさんが怒りを露わにして言った。
「絶対に許さないぞ、クソ魔獣め。」
ライザさんはハピィが怪我をしたのは魔獣のせいだと思っているみたいだった。
そのせいで昨日からかなり気が立っているのである。
それに対してベットに横になっているハピィが痛みで顔を歪めながらも上体を起こし、抗議した。
「違うのです!これは雨で転んだだけなのです!…何度言ったらわかってくれるです!」
ハピィはどういうわけか昨日の晩からそれを主張し続けているが、勿論ライザさんはそんな言葉に耳を貸さない。
ハピィの怪我が転んで出来る類の傷では無い事は誰の目にも、火を見るより明らかだったからだ。
何故ハピィがそのような嘘をついているのか、誰にも理解は出来なかった。
「魔獣討伐なんてやる必要無いです!私はこの通り、元気なのです!」
ハピィがベットから降りようとするも、近くにいたフィーラに戻される。
ライザは娘が自分の事を心配してくれていると感じて嬉しく感じるも、やはりその末娘を傷つけた魔獣を許してはおけないと闘志を燃やした。
夜になれば夜目の効く魔獣の方が有利になるため、討伐組は明日の朝決行する。
それまでに英気を養うよう指示して皆解散となった。
ミントは明日の話をしようと思ってキャロルの所へ向かった。
キャロルはハピィの様子が気になってお見舞いに行っていると聞いたので、再びライザの家へ足を運ぶ。
ミントが二人の様子を見に行くと、珍しいことに、弟子たち二人が喧嘩をしているようだった。
と言っても、ハピィが一方的に声を荒げているだけで、キャロルはそれに淡々と答えているだけのようだが。
いくら歳の割にませている二人とは言え、時には喧嘩することもあるだろう。
そう思ったミントは喧嘩が終わるまで外で待つことにした。
「…〜。」
外で待っていると、ハピィの声が自然と聞こえてきた。
盗み聞きは悪いし場所を変えようかとミントが腰を上げた時、偶々耳に入ったその内容に彼は注意を引かれた。
「…お前は一体誰なのです!!」
明らかに普通じゃないハピィの声。
そしてお前は誰という謎の発言。
何か良からぬことが起きたのかと思い、ミントは扉を開けて飛び込んだ。
「ハピィ!大丈夫か!?」
ハピィはベットの上に座っており、その隣にはキャロルが居た。
特にこれといってまずい状況は無いように思える。
ただし…ハピィは何故か涙を流していた。
「…キャロル、ハピィはどうしたんだ?」
「さぁ。きっと怪我で悪い夢でも見たんだと思いますよ。
さっきからずっと、意味のわからない事ばかり言ってます。」
ほとほと困り果てた様子のキャロルをハピィは親の仇の様に睨みつける。
「お前が何かしたです!全部お前が悪いです!!」
「…ね?ずっとこんな調子なんですよ。」
「…そうか」
ミントは興奮するハピィにそっと近寄り、額に手をかざした。
ミントの手袋に埋め込まれている緑の宝石が淡い光を放ち、ハピィは静かに体を横たえた。
どうやら眠ったみたいだ。
「ハピィは色々あって疲れているんだ。キャロル、今日はもう帰って、彼女をゆっくり休ませてあげよう。」
「そうしましょうか。」
「君も、今日はゆっくり体を休めてくれよ?
病み上がりなのに重大な仕事を押しつけた僕が言うのもなんだが…」
「いいんですよ。僕はもう元気ですし。」
「それでもだ。明日の朝は早い。よろしく頼むよ?」
任せて下さい、と自信満々に胸を叩くキャロル。
ミントは頷き、二人でライザの家を出た。
「さあて、明日はどうなるかな」
キャロルが家に帰る後ろ姿を眺めながら、ミントは一人、そう呟いた。
討伐組のリーダーはミント。サブにライザ。その後をキャロル、リーゼロッテ、リィリィが続く。
村の大勢の声援を背中に受けつつ、5人は北の森へと入っていった。
最近大雨が降ったからか、ジトジトした腐葉土は足を乗せると僅かに沈み、水が染み出す。
幸いにも、その時できたであろう足跡に明らかに普通じゃないものが見つかったのだ。
まだ新しいという事は、きっとそう遠くへいったわけでは無い。
成人男性であるミントより2倍ほど大きい熊のようなその足跡からすると、どうやら脚を負傷しているのか片足を引きずって歩いたような形跡が残っている。
討伐には好都合だとライザ達は笑った。
その足跡を辿って暫く行くと、途中でパッタリとその痕跡が消えてしまった。
まさか魔獣が足跡を辿られるのを警戒するなんて事は無いだろうが、どういうわけか近くに全く足跡が見当たらない。
「…どうしようかな」
ミントがそう呟くと、リィリィが鼻をひくつかせながら一言発した。
「…こっち。腐りかけた肉の匂い。」
腐りかけの肉というと、まだ比較的新しい狩りの跡という事になる。
それはきっと魔獣の痕跡と言っていい。
5人は匂いを頼りに追跡を再開した。
腐りかけた肉の匂いと足跡を辿って、既に半日ほど歩き続けただろうか。
一体どこに居るんだ、自分達は本当に間違った捜索をしていないのだろうか。
みんながそんな気持ちをうちに秘めながら、探索を続けていた時だった。
「…止まってくれ」
突然ライザが小さな声で指示を出した。
彼の耳がピクピクと動いている。
「…やっぱり、割と近く…俺たち以外に音がするな」
リィリィもその音に気がついたのか、耳がピンと張っている。
「…みんな。十分注意してくれ。」
勿論別の動物かもしれないが、血や肉の臭いを辿る事が難しくなっていた事から割と近くにいるのではないか、とミントは考えていた。
そしてこの音。
最早偶然とは思えなかった。
ミントの注意で、緩みかけていた皆の気持ちが再度引き締まった。
そしてその直後、ミント、ライザ、リィリィ、リーゼロッテ、キャロルの5人はあの血に飢えた化け物と遭遇する事になる。
☆
行く宛もなくさ迷い歩く。
微睡の中、俺は自分の人生が終わりかけている事を感じていた。
俺という人格はきっと、間もなく消えて無くなってしまうのだろう。
これまでの人生、悔いなく生きられただろうか。
俺は自問した。
記憶が無い状態で異世界に来た。
自分が何者だったのかすらわからなかったが、それでも楽しい毎日だった。
魔法を勉強し、家族とご飯を食べて、友達と毎日遊んだ。
おばあちゃんや師匠も出来て、色々な事を教えて貰った。
しかしその全てが色褪せて、今ではまるで全てが夢だったかのように感じられる。
朝起きて、それまで見ていた夢が記憶から薄れて行くような。
そんな感じがする。
温かかった。楽しかった。悔しかった。
その時感じたそんな感情も、今ではモノクロの写真を眺めて居るようだ。
顔すら分からなくなった大切な人達との消えかけの思い出に必死にしがみつく。
そんな自分があまりに哀れで…そっと心を閉ざす。
俺の心を表しているかのように、シトシトと雨が降って来た。
雨が俺の心に当たってピチョンと跳ねる。
冷たくて肌寒い。俺は森の中で一人、丸くなった。
出来るだけ外界に触れないように。これ以上何かを奪われないように。
このまま静かに消えて行こう。
突然背中に感じたことのない程の激痛が走った。
焼いた鉄が身体を貫いているかのような、そんな痛みに苦しみ、地面に倒れ伏しながらも後ろを確認する。
「見つけたぞ、化け物が!!」
「ヴォ…?」
俺を上から見下していたのは、血の滴る剣を持ったガタイのいい男。
怒りを露わにして俺を睨みつけている。
その手に持った剣で、俺を貫いたようだ。
「お前みたいな化け物に、殺されかけた人の気持ちがわかるか?」
何のことかわからないが、自分に個人的に恨みがあるようだ。
背中の激痛のおかげで思うように動けず、振り下ろされた剣を避けることが出来ない。
肩から斜めに切り裂かれ、肉が裂け、血が吹出た。
ドクン
怒りが込み上げて来る。
俺の中の獣が声高に叫ぶ。
自分を切り裂いた奴はどいつだ。
殺してやれ。
その爪で、腹を引き裂いて、頭を砕いてやれ。
殺せ、殺せ。
俺は深く、深く深呼吸をした。
…もう二度と、人間を殺すわけにはいかない。
もうじき消える定めでも、最期くらい人間らしく生きる。それが俺の泣けなしのプライドだ。
その為には、戦ってはいけない。自分で自分を抑えられなくなってしまうから。
俺は逃げ出す事にした。
後ろを向いて、距離を取ろうと必死に足を動かす。
背中を何度か斬り付けられたが、致命傷にはなっていない。
なんとか逃げきれそうだ。
そう思った瞬間、聴き慣れた声が飛んできた。
「ブレイズ・ウォール」
俺の行先を遮るように、業、と炎の壁が立ち上がる。
こっちは行き止まりか。
俺は別の方向から逃げようと振り返り、既に数人に周囲を囲まれている事に気がついた。
「狩られる側の気持ちはどうだ?ああ?」
剣を持った男がニヤニヤと笑いながら俺に剣を振り下ろした。
クソッ
なんとかその斬撃を避けるも、痛みから体のバランスが崩れて倒れてしまった。
男はすかさず倒れた俺の脚へ剣を振り下ろし、足の腱を切った。
どうやらもう立ち上がる事すら出来そうに無い。
「ハピィはなぁ、ずっと泣いてんだ。」
地面を這ってでも逃げようとして四つん這いで移動する俺に、上から何度も剣が突き刺さる。
肉が裂けて、出血が酷い。
力が入らなくなって、その場で地面に崩れ込んだ。
雨が傷口に染みる。
痛い。
やめて。
痛いよ。
「何でかわかるか?お前にはわかんねーよなぁ。」
剣が突き刺さった所を蹴り上げられ、あまりの痛みに悶絶する。
息ができない。
苦しい。
なんでだよ。
なんでこんな事に…
わかんないよ…
「お前に同じ苦しみを与えてやる。」
楽に死ねると思うなよ。
男は俺の頭を足で踏んで地面にグリグリと押しつけた。
泥の味が苦い。
ここが俺の墓場なのか。
俺は死に場所も自由に選べず惨めに殺されるのか。
頭の中じゃ、わかってる。それは仕方のない事だ。
俺はこれまでいろんな命を奪って来た。
その命は、きっと明日があると信じていただろう。
そんな純真な命を、食らって来た。
でもやっぱり、死ぬのは怖い。
俺は目を閉じて、丸くなって、耳を塞いだ。
何も見たくない。何も聴きたくない。
これから死ぬという現実を直視出来ない。
あれだけ覚悟したつもりでいたのに。
自分が消えることも。殺される事も。
結局俺は弱いままだ。
見栄を貼って、辛い事から目を逸らして、最期まで惨めな醜態を晒している。
俺なんて、口ばっかりで、肝心な時には何も出来ない。
「ライザさんどいてください。遊んでいるなら、僕が殺ります。」
その声は…俺だ。
俺から全てを奪った張本人。
…悔しい。
偽物が幸せにのうのうと生きているのが悔しい。
偽物が俺の顔をして俺の家族に混ざっているのが悔しい。
「離れてください。一瞬で消しますから。」
俺の偽物は何も唱えない。
静かに俺へと向けた手の先には太陽と見紛う程の赤黒い火焔が渦巻き、対して周囲の地面はパキパキと音を立てながら凍りついていく。
あの魔法は…俺が以前考えた魔法だ。
偽物に魔法が奪われたのが悔しい。
偽物に命までも奪われるのが悔しい。
偽物に立ち向かう術が無いのが悔しい。
偽物に殺されそうになって怯えている自分が悔しい。
でも、それ以上に…
やっぱり死ぬのは怖いのだ。
全身が震えて止まらない程に。
寒気とは吐き気が治らない程に。
もうこの身体じゃ出せないはずの涙と嗚咽が止まらない程に。
跪いて命乞いのポーズを取る。
死にたくない、死にたくない…。
誰か、助けてよ。
俺は目を伏せた。
わかってる。今の俺を助けてくれる人なんているわけない。
それでも俺は願った。願わざるを得なかった。
チリチリと焦げるような音と匂い。
パリパリと凍てつく冷たい空気。
ジリジリとにじり寄る死の気配。
そして…フワッと優しい、包み込むような花の香り。
何故だろう。とても安心する。まるで生まれた時から嗅いでいたような。
これまでもずっと一緒にいたような。
どこまでも優しい、大好きな香り。
そっと目を開くと、一人の女の子が俺を庇うように手を広げて立っていた。
艶のある長い金髪を持つ、小さな女の子だ。
この人は誰だろう。名前もわからない。
でも、とても大切な人だった気がする。
「お姉ちゃん!何してるの!早くそこをどいて!」
俺の偽物がイライラした様子で怒鳴る。
…お姉ちゃん…そうか。
この女の子は…俺のお姉ちゃんだ。
「約束したでしょ。」
お姉ちゃんは振り向いて、こんな醜い姿になった俺の眼を真っ直ぐ見つめ、ギュッと抱いた。
温かい。いつだったか、前にもこんなことがあったような気がする。
バカで聞き分けなくて、すぐ喧嘩ばかりして…でも俺のことをとても大切に思ってくれている。
そうだ、この人の名前は…
「グィぃ…ゼ」
「…泣いているの?安心して、キャロル。お姉ちゃんが守ってあげるから。」
私がお姉ちゃんだもの。
そう言って、リーゼは俺に笑いかけた。
キャロル。それは俺すら忘れていた、俺の名前だ。
涙が止まらなかった。
嗚咽が止まらなかった。
あまりに嬉しくて。
あまりに温かくて。
こんな姿の俺を見つけてくれて。
こんな姿の俺でも受け入れてくれて。
「…何を言ってるんだか…退かないと、死ぬよ?」
偽物の手に火焔が集まっていく。
まずい、あれはもういつでも発動出来る。
リーゼは俺を抱いたままだ。偽物に背を向けており、それに気づいた様子はない。
守らなきゃ。
「…仕方ないな。ごめんね」
偽物が魔法を発動させた。
何千°にまで熱を溜め込んだ
俺は咄嗟にリーゼに覆いかぶさった。
ありがとう、リーゼ。
生きていて良かった。
俺の短い人生、捨てたもんじゃなかった。
守りたい。
心の底から、そう思った。
☆
(ー我は求め訴えたりー)
「サモン・
「なっ!?」
俺とリーゼを守るように、突如として現れたのは山吹色の巨大な城。
その壁が、数千°の火焔を完全に受け切った。
誰だ…?
俺は声の方を向いた。
(ー纏い、封ぜよー)
「スチール・ゾーンバインド」
瞬く間に鋼のツタが偽物の俺を縛り上げる。力に余程自信がある人でもこれを解く事は叶わないであろう。
俺の目線の先に居たのは…
癖のある金髪で軍服を着た王子様のような人だった。
「どうしたんですか!師匠!何故僕を!」
「僕は君の師匠じゃないよ。」
話が通じないと思ったのか、やられっぱなしになっていた偽物は術者の王子様に反撃に出た。
あれは無詠唱魔法だ。
「スプラッシュ・ボール」
雨が降っているという事もあり、とてつもない質量の水が発射される。
これだけの大きさだと、並の家であれば簡単に粉々になってしまうだろう。
しかし、王子様風イケメンは全く動じない。
(ー囲い、封ぜよー)
「アンタゴニズム・サンクチュアリ」
そう唱えると、偽物の足元に六芒星が出現した。
その瞬間、スプラッシュボールは大量の水となってその場に落ちた。
魔法の制御を失ったのだ。
「…な、何故だ。魔法がつかえない。」
身動きが取れず、魔法も使えなくなった俺の偽物は焦りを見せ始める。
ニコニコしながら近くへ寄っていく王子様。六芒星の外側から偽物に話しかけた。
「僕さ、怒ってるんだよね。」
「や、やめて下さい師匠!僕です!キャロルです!」
「それ、それだよ」
もがく偽物を笑顔で見つめ、そして一言呟いた。
(ー罪人に、絶望の断罪をー)
「ファラリス・ブル」
偽物を纏っていた鋼のツタが形を変え、鉄の牛の形を形成した。
鉄の牛の中に閉じ込められた偽物は、苦しみに満ちた声を発するが、その声は雄牛の声となって響くのみである。
次第に鉄の牛は赤みを帯び始め、何千°にまで温度が高まっているのが嫌でも感じられる。
牛の口からは牛の声に似た絶叫だけでなく、水蒸気や湯気が出始め、ジュージューと肉が焼ける音も相まってまるで生きたまま料理をしているかのようだった。
果たして、俺の偽物は完全に沈黙した。
あれだけ俺を苦しめていた偽物が、このたった数分で呆気なく死んだのだ。
「ヴヴォオオオ…」
喜びや感慨にふける暇もない。
身体中に激痛が走る。これは知っている。からだが大きく変化する時の痛みだ。
それと同時にめまいがして、頭をガンガンと殴られているような強烈な頭痛が始まった。
「キャロル!!大丈夫!?キャロル!!」
リーゼがガクガクと揺らしてくる。
やめてくれ…そっとしておいてくれ…
知識や思い出の奔流が俺の頭へと流れ込んでくるのがわかる。
ダメだ、耐えられない。
俺はそのまま意識を失った。
普通の異世界転生してみた()〜異世界はそんなに甘くない〜 @Rei-tenthirty
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