五感と、心

作者はおっしゃいます。「五感から得たものに、形を与えられたらなと思います。 」

そうして紡がれた掌編は、市井の人々、「主人公」という言葉では白々しくなるほど普通の人々の、日常の一場面。でも平坦ではなく、大げさに言えば人生が変わる予感がする一コマを掬い上げています。

描かれているのは人の心。悩んだり、迷ったり、泣いたり、笑ったり。

人間の五感が突き動かしたのは、人間の心なのでしょう。