常套句「友達でいましょう」。これは、関わりが薄い人でいましょう、大きな影響を与えない人でいましょう、つまり「都合がいい人でいてね」と遠回しに仄めかす言葉です。
しかし恋心を抱けば関わりを薄くするのは至難です。周囲から止められても、我が身の内側から相手を求める衝動が湧き上がるのが恋心です。
人間は都合がいい生き物ではいられません。それは、本作の主題ですし、作者様のライフワークでもあります。
人間は聞き分けがよくないことを真正面に謳うことは社会に波風を立てます。しかし同様の想いは皆が抱えています。
そして気づくのです。人間は都合よく生きられないと言葉にすることが不都合な社会は、人間にとって不都合だと。
当たり前、とは何でしょう。この詩は、当たり前のことを詠うだけです。世が当たり前でないのです。