夜勤
エアコン eakon
第1話
「にしても今日暑いわね」
「残暑ですからねぇ」
「まだ夏といえば夏よね この暑さじゃ」
「最近は四季折々というより夏冬の二季しかないと思うんですよね」
「わかるわ どうせ今は暑い暑い言っててもすぐに冬が来るわよ」
「暑いなら少し冷えるような話でもしましょう」
「なに? ニヤニヤしながら急に」
「実は8月に心霊スポットに行ったんですよ」
「君そんなところ行くんだね 遠出とか面倒くさがって嫌がるタイプだと思ってたわ」
「自分でもそう思っていたいたんですけどね 高校時代の友人が一方的に連れ出したというか連れ出されたというか...」
「ふ~ん それで? どこまで行ったのよ」
「横浜の打越橋まで」
「あそこ高い場所にあったわよね 怖くないの?」
「流石にそこまでの高さじゃないですよ スカイツリーほどったら少しは怖いかもですけど もしかして高いところ駄目だったりします?」
「そうなのよねぇ 昔から高いところは苦手で もう一つ苦手なものもあるけど」
「なんです? もう一つの苦手なものって」
「やけに食いつきがいいわね ニヤニヤして それより横浜の橋まで行ってどうだったのよ」
「えーっとですね まあ特に何もなかったです」
「あっさりしてるのね 何かないの他の感想は」
「自分幽霊信じてませんし 強いて挙げるとすれば疲れたくらいですかね あの日一日中ゲームしてたので寝てなかったんですよ」
「へぇ、そうなの それより今何か私に悪戯でもした?」
「何もしてませんけど...」
「そう...風かしら 髪に何かが触れた気がしたのよね」
「幽霊とかだったりして」
「やめてよ あまり得意ではないの」
「もう一つの苦手なのものってもしかして幽霊だったりして」
「残念、オバケよ」
「大差ないじゃないですか...」
「言葉は正確に伝えるべきだわ おまけにって、今コツコツみたいな音しなかった?」
「僕達の他に誰かいましたっけ? もしかして不審者とか?」
「喜々として言うことじゃないでしょ!」
「痛いですよ先輩 病院ですし歩く音くらい響くでしょ」
「そうよね、とりあえず早く見回り終わらせましょうか」
「そうですね、じゃあ僕冷房と扇風機のある部屋を見回りしてきますね」
「呆れた それただの休憩室じゃない 早く来ないと置いていくわよ」
「待ってくださいよ」
夜勤 エアコン eakon @eakon0302
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