再確認

烏神まこと(かみ まこと)

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 ちょっとした用事の帰り。知らない街の知らない道で、大きくて綺麗な本屋さんを見つけた。

 入り口はガラス張りで中の構造が見えるようになっている。

 入るとすぐ横に喫茶店。どうやら本屋と喫茶店が提携して作られたブックカフェのようだった。喫茶店の入り口にはボードが立てかけられている。


(なになに……? 購入前の本を1冊持ち込むことができます?)


 面白そうなので、入ってみることにした。


 先に飲み物を注文し、読んでくださいとばかりに並べられているおすすめ本コーナーに目を通すと、よく知る名前をすぐに見つけた。


(鏡見ゆづる、短編集)


 この作品は、雑誌に月に一度のペースで連載されていた短い作品を推敲し発売したものだ。

 一度読んだ内容だけど、手に取って席に座る。先生の作品は何度読み直しても楽しいのだから、仕方がない。

 一度読み終わったからこそ、冒頭から緻密に巡らされた伏線を見つけて、おもわず口角があがる。


(帰ったら、この事話そうっと)


 僕が感想を伝える度に困ったように笑う先生を思い浮かべて、僕はやっぱりこの人と恋がしたいと思った。


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