第6話
「え……如何言う事だよ、『00』番! 何で『05』番は退場出来て、私は退場出来ないんだ!?」
『00』番は当然と言うようにこう答えた。
「君は条件を満たしていないからに決まっているだろう? 先程説明したばかりじゃないか。」
「じゃあ、その条件って!?」
『00』番は呆れたと言う感じで、
「それも最初に説明した。まぁ、君はまだ退場しなくていいんだ。このゲームを楽しむと良い。」
と『04』番に言い残し、『00』番の通信は切れた。
「楽しめるかよ!」
『04』番は『05』番がいなくなったことで冷静さに欠けていた。『04』番のことを心配する奴は誰一人といなかった。
しかし、狂っている今の彼女が何を考えるか分からず「余計なことはしないで欲しい」と考えているのは彼女以外の全員が思ったに違いない。
「ねぇ、『04』番ちゃん。」
「……何ですか、『03』番。」
『03』番が『04』番に話しかける。
「ちょっと。」
そのまま二人は、『03』番の部屋に入っていった。
—— 二階、部屋で ——
「ねぇ、君がしっかりしなくちゃ。『05』番ちゃんの為にも……。」
「『05』番の為。」
「そうだよ。」
「っ……! 『05』番……!」
「今だけは泣いてもいいんだよ。」
「……彼女、初めての友達だったのに、私の前から直ぐにいなくなって。」
「うん。」
『03』番は『04』番をソファーに座らせ、自分も隣に座り『04』番の話を暫く聞いていた。そして、一通り『04』番が話し終わり少しした後、『04』番はまた『03』番に話しかける。
「『03』番。聴いてくれて有難う。」
「……太陽って呼んでくれる?」
「太陽、さん。」
『04』番がそう言うと『03』番が言った。
「おめでとう、『04』番。」
「え? 如何言う事ですか?」
不思議そうな顔をしている『04』番に『03』番が言う。
「これで『05』番に会えるね。」
『03』番がそう言うと『04』番はハッとして、こう言った。
「まさか……騙したんですか!?」
『04』番がそう言うと『03』番はニヤリと笑い、言う。
「僕は騙してなんか無いよ。ただ、君が馬鹿なだけさ。」
声を震わせながらも、『04』番は言う。
「あ、貴方を信頼したのに、もう一度頑張ろうと思えたのに!」
「このゲームで信頼なんてする方が悪いんだよ。」
そう『04』番に言うと、『03』番はさっさと部屋を出て行った。
「畜生、やられた……。」
『04』番は連続で裏切られたショックで、気を失った。
—— 一階、広場で ——
暫くすると『03』番が戻って来た。彼によると『04』番は一人になりたいらしく、そのまま自分の部屋に居させることにしたらしい。自分の部屋に他人を置いて来るなんて、私には到底出来ない。何と言ったって荒らされる危険があるからな。
なんて考えながら、冷めてきたコーヒーを飲み干した。
次の日、『04』番の姿は無かった。
ポーカーフェイスと愛想笑い 海月 @sentakukilove
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ポーカーフェイスと愛想笑いの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます