第5話「ピンチの後の素敵な物達」

ティル 「なーに大丈夫ですよ、今さっき逃げた女とは今日の帰りに別れる予定ですから」


女魔族 「お主、何を言っておるのじゃ?」


ティル 「フフッ絶景の美女を口説いているのですよ、女性の美しさに種族の壁なんて関係ありませんよ、目の前に美女が居るのにも逃してしまっては男が廃っちまいますぜ」


女魔族 「口説くとな? 少年よ、我は魔族の中でも強い魔力を秘めておるのだぞ?」


ティル 「そんなのカンケーありませんよ、嗚呼、その美貌で狂わされた男の1人に俺はなりたい」


女魔族 「美貌じゃと? 我は戦いに明け暮れた故分からぬ事じゃ」


ティル 「嗚呼なんと勿体無いお話……」


女魔族 「ふむ? 良く分からぬが、主は我と戦う意思は無いのか?」


ティル 「無論、無きに御座います」


女魔族 「ほう、主は何処か面白い奴じゃのう」


 魔族は纏っていた魔力を解いた様だ。


女魔族 「主を他の魔族に倒されるのもちと惜しい気がするのう」


     魔族は笑みを浮かべると、指輪をティルに手渡した。


ティル 「これは?」


女魔族 「私が管轄する魔族と仲良くやれる代物じゃ」


ティル 「有難う御座います」


女魔族 「ハハッ、我はやる事が多いからのう、この国に居る魔族にしか効力は無いが上手く扱って見るが良いぞ」


     それから暫くティルと女魔族との談笑が続いた。

     

女魔族 「中々楽しませて貰った、少年よまた別の場所で会おうぞ」


ティル 「御姐様、再び相まみえる事を待ち望み申します!」


     再び青白い光が発生し光と共に女魔族は姿を消した。


フラッド(じぃー)


ティル 「いやー楽しかった! 美女との対話程楽しいモノは無いぜ! え? 本題忘れてる? おっとすまねぇ」


     ティルは依頼主に頼まれた物を回収した。


フラッド「洞窟脱出エスケープ


     ティルとフラッドは魔法の効力によりダンジョンの入口へ転移した。


ミヒロ 「あ…………良かった、ティル君もフラッド君も生きてたんだね!」


フラッド(!!)


ティル (フラッドの奴ミヒロちゃんに抱きつかれて羨ましい! と言いたいけど俺は御姉様と楽しく過ごしたしな、へっへっへ)


ミヒロ 「ホント、心配だったんだから」


ティル 「ははは、すまん、すまん、さ、無事生還出来た訳だし村に帰ろうぜ」


     ティル達は帰路に付いた。

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レンジャーティル君は、魔族のお姉様から貰った腕輪のお陰で魔族と友達になれた様です。 うさぎ蕎麦 @nijimamuru

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