ある命の在り方を穏やかに記したSF。不思議な読後感が素晴らしい。


 テラフォーミングの為に苗を植えた惑星──そこに調査に向かい取り残された主人公達。そして出会う主人公のみが見える少女……その正体に引き込まれました。


 人の手により生み出された命が思惑を離れ変化することは現実にあることであり、その点を見事に絡めていますね。
 巧みな文章とちりばめられた知識とSF好きには納得が行く作品ではないかと思います。

 生命の強さ、人の多様性と短慮、そして命を繋ぐ意味……。ハッピーエンドやバッドエンドという枠を超えた結末は、不思議と心に刻まれました。私はこの作品、好きです。

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