アニメ化と声優キャスティング(脳内)
文章と脳内映像の関係は、正直自分でも整理がつかないこともありますが、もう少しわかりやすい例を探してみました。
私は物語全般が好きなので、マンガも大好きですし、アニメもよく見ます。ところがアニメ化でよく話題になる、声優キャスティングについては全くついていけません。
そもそも記憶している声のサンプリング数が少ない、というのがあるかもしれませんし、声優を「個人」として認識していないから、という点もあるでしょう。聞き覚えのある声は多いはずですが、大抵、声優が演じた代表的なキャラクター〇〇役の声という認識で、そらで言える声優名は4~5人、下手をすれば2~3人くらいです。
同時にマンガや小説を読んでいても、具体的な声までは意識していないことが大きいと思います。前述した図にすると、こんな感じでしょうか。
――第一層 印刷された文字・文章・現実の世界――
――第二層 台詞から想像する音声イメージ—―
――第三層 記憶している声優の声――
もちろん台詞を読むうえで、声のイメージはあるので、アニメ化につきものの「声が合っていない」という感想を持つことは多々あります。合ってる声だと思うことも、まれにですが、あります。ですがどれも、ものすごくふわっとしたイメージなので、具体的に誰の声をあてるかについては議論できるほどではありません。
第二層あたりをうろうろしている私と違い、声優に詳しい人は、台詞を読みながら第三層とアクセスして実際に声をあてている。あるいは物語を楽しみながら、台詞の部分では第三層(しかも、どんな声質の誰の声なのかしっかり分類できている)に近づき、そのことが「意識」できているのではないでしょうか。一から十まで想像ですけど。
ちなみにこれもよくあることですが、合ってないと思った声でも、一度アニメをみてしまうと、次にマンガを読んだときには、その声で台詞が再生されてしまい、なんとも言えない気分になります。もともと脆弱な音声イメージなので、想像上の声を思い出まそうとしても上手くいきません。二層と三層に直通ルートが作られてしまった感じです。イメージは聞いた音声より強度に劣る、というのがよくわかります。
ただ、アニメの記憶も薄れてしまった頃にマンガを読み返すと、またふわっとしたイメージで楽しむことができるので、それも一時的なものです。
また、文章をそのまま音にした台詞と違い、小説の場面はアニメ化、映像化してもイメージが上書きされたことはありません。これも読書は個人的なものであり、脳内イメージは一般的な映像では再現できない証左ではないでしょうか。
瑞っ子の異常な愛情 ―または私は如何にして心配するのを止めて真似するようになったか― ぶっくばぐ @1804285
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