夕暮れ、再構築という言葉と、ゲーム風に構成された世界が、特に私には刺さりました。
アイテム、敵味方の名称、それぞれが成長と共に手にしていく武器…それらに、もう斜陽になってしまったといってもいい、JRPGの雰囲気を感じられます。
例えば武器の名前にしても、神話や伝説から取られた名詞から取られているそれらを成長順に並べた場合、法則が見つからない、或いは無数に見つけ出す事ができるのです。
敵や味方の名前もそう。
法則など何もないのか、うっすらと見えてくる関係性が伏線なのか、そんな事を考えながら読むと、「再構成」という単語が、実によく馴染んできます。
ストーリーのスピード感も爽快で、直感が働くように書かれているところが本当に心憎いです。
考察などに興味のない私ですが、どう繋がり、どう集束していくのか、どうしても考えてしまう、楽しみな一作です。
物語開始当初から、いきなり日常が崩壊していきます。容赦なく一般人が死んでいって、どうやらほとんどの人類は滅んだらしいです。
そんな状況で、主人公たちはなにかの理由によって生き残ることになります。ただの生存者としてではなく、神様らしきものの試練に挑戦するものとしてでした。
どうやらこの試練を戦い抜くことで、滅んでしまった人類を、救えるかもしれないし、救わなくてもいいかもしれないし、新しい形に作り替えてもいいそうです。
なんだか曖昧ですが、そう書かざるを得ないほど、条件を提示してきた生き物が怪しいのです。最悪の場合は、騙されている可能性すらあります。
しかし、すでに世界は崩壊しているため、主人公たちは前に進むしかありません。恐ろしい敵との戦いの日々がはじまりました。
敵は凶悪かつ強敵です。名前のついた仲間だって容赦なく死ぬことがあります。
そんなハードで逃げ場のない物語ですが、基本の骨組みは、ゲーム風味で構築されています。主人公たち自身も成長していくし、装備やアイテムの更新も行われていきます。今風にいえばゲーム世界をベースにした異世界転移でしょうか。
いまだ物語の核心は覆い隠されたままですが、少しずつですがヒントも出てくるようになりました。やっぱり一筋縄ではないかない裏側がありそうです。
このレビューを書いた私も、物語の核心を見届けようと思っていますが、レビューを読んだみなさんも、この世界がどうなるのか見届けてはどうでしょうか。
偶然か必然か、電車に乗り合わせた若者たちはそれぞれの役割を
与えられて戦いの場に出る。
世界は神様の気まぐれで壊されてしまった。
それを再構築できるのは選ばれた彼らだけ!
用意された『終末ゲーム』の世界で、
しかし実際に命のやり取りをしながら彼らは進む!
犠牲者を出しながらもステージを一つずつクリアしていく。
美青年、春香に与えられたのは王様。
彼の下に銃士、剣士、魔術士、治癒士等々、
個性的な面々が与えられた役割をこなしていく。
彼らは世界を救うことができるのか?
物語には、ゲーム要素として欠かせないスキルや武器、
よろずやのようなお店など、
思わずにんまりするしかけがたくさん用意されている。
そして、筆者お得意の艶めかしい場面ももちろん私たちを楽しませてくれる。
春香を慕う幼馴染との関係も気になるところだ。
さあ、夕方だ。一緒に世界を再構築しにいこう!