第12話
「おい、加藤。表出るぞ。お前とは個人で話がある。」
「え!?ちょっ!?」
((空気読め加藤!ほら行くぞ!!コソコソ ))
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「私ね、如月くんのご両親の話を加藤さんから聞いたの。」
俺は親のことを全て弥生に話している。そしたら弥生のお母さんも相談に乗ってくれたのだ。
しかし...
なんで、卯月さんがそれを聞いたんだよ...
「それはなんで...?」
「如月くんさ。3年前に女の子を助けた記憶はあるか
な?」
------...は?
「ど、どういうことだ?」
「その少女は憔悴し、目から光が消え、生きることを諦めた少女。けれど、どこか助けを求めていた。あなたはそんな少女を知らない?」
そんなの、俺の記憶には一人しかいない。
「忘れるわけが無い。その子のおかげで俺の人生は360°変わった。何があっても突き進む。そう、心に刻むきっかけになったんだ。人を助ける。俺はそーゆー人間になる機会をくれた俺の恩人だ。」
それを聞いた彼女は、驚きを隠せない表情を作った。そしてその上で今度は、太陽のような笑顔になった。
「そっか...君はそんな風に思ってくれていたんだね...嬉しいなぁ。やっぱり、私の初恋は君でよかった...」
おい、嘘だろ...まさか...
「な、なぁ。もしかして卯月さんがあの時の...」
その時ふわっと懐かしい花の香りがして、卯月さんに抱きしめられた。その瞬間...俺の目から涙が止まらなかった。
「だいせいかい。よく出来ました...!また、また会えて嬉しいよ、隼斗くん...」
彼女はあの時の面影は確かにあった。もしかして、とも思っていた。今は輝きを取り戻した宝石。そう例えてもおかしくないくらいに彼女は成長していた。今は学園のアイドルと呼ばれるくらいに自分を磨き、人望も得たのだろう。
「俺は...君みたいに成長出来ていない...。ごめん。」
そう言うと卯月は大きく首を横に振った。
「いいえ..,。ご両親の話を聞いたって言ったでしょう?隼斗くんはあんなのを目の前で見たのに今は真っ直ぐ前を見て進んでる。そんなの私からしたら凄すぎるよ...!!ほんとに、よく頑張ったね...」
そーなのかな。俺は頑張れているのかな。
けれどもやっぱり、俺の涙は止まらなかった。
---------5分後---------
「よしっ!」
「ど、どうしたの??」
俺は急に声を出して離れた卯月に驚いた。
「隼斗くん。昨日のこと、覚えてる?」
昨日のこと?告白されたこと?だよな??
「あぁ、告白のことなら覚えてるぞ!」
--------あれ?なんか、この感じ...どこかで。
「...その後は?」
「へっ?」
「答え合わせと一緒に返事を聞かせてね!って言ったよね!ニコッ」
「あ。」
「え。」
------バタン!!
「「え!?!?」」
「おい。」
「如月お前まさか。」
先生達まで!?!?あ、あはは...
ってか聞いてたんかい。
--------「忘れてました...」
その後1時間ほど3人から説教をくらいました。
僕と君との人生の1ページ。 ゆーや @Yuaaaaaaaaa
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