鬱陶しい現場の臭いがする。

仕事現場の描写は作者様の実体験に基づいてるのでしょうか。

私も過去に日雇いバイトや倉庫業を経験した事があるので、当時の臭いすら思い出せるほど具体的な描写に、まず驚かされました。

劣悪な職場特有のNo!と言えない圧力に飲まれる主人公と、刃向かうカトウの対比は一見すると心地の良い反抗を描くかに思えます。
だが本作のもっと深い所まで分析されているようです。
路上で背負い投げと言う、相手を死なせかねない行動が取れるカトウも、自分を惨めに思いつつも手を上げる事のない主人公も、終着点はコカ・コーラ。
喉に刺さるヒリヒリした刺激は、若い世代にも手が届く反抗の象徴のよう。
爽やかさよりも痛みを帯びた青春が、うだる暑さと共に描かれています。

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