中学生が書いた小説で、主婦を主人公にするという冒険心を、まずは評価したい。作中の息子とのやり取りは、作者と母親との間で普段交わされている会話を参考にしていると思われるが、母親の視点から見事に感情の動きを表現している。結末についても、抑制を効かせながら余韻を残す素晴らしいものであった。暇つぶしにいくつか読んでいくなかで、この小説に出会ったのだが、中学生が書いた小説で、ここまで読ませるものがあるとは思いもしなかった。作者には、今後も頑張ってほしい。
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