アジアの異国情緒をむすぶ「つながり」の物語

高い筆力で、東アジアの異国情緒たっぷりの魅力的な女性たちの姿が鮮やかに描かれていきます。奇縁を絡めてしっかりと主人公とのつながりを担保することで、ショーケースに並んだ見世物ではない、生きた人間としての彼女たちの存在感をしっかりと伝えます。だからこそ、アンの迫る最後の選択が、はじめから「ノー」と決まっているわけではない切実さをはらみます。単なる異国人相手のお遊びというわけではないんだぞ、と。
異国情緒を宿した夜の街の雰囲気の、あやしげな魅力をたっぷりと含んだ、ネオンの光の印象的な中編です。

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