第4話 出会い
ある夜、見慣れない日本人客が店に入ってきた。髪をきちんと整え、身なりもしっかりした男だった。
金魚鉢の女性たちは、その客がまだ指名の無い一見であることに気付き、一斉に客に向かって熱い視線を投げ掛けた。日本人は女性が嫌がることを無理強いせず、馴染みになるとチップを弾んでくれるので人気が高い。特にその客は見るからに上客で、誰もが色めきたった。
一方アイリーンは、どんな客が訪れても物欲しそうな態度は取らず、じっと客の方を見る。彼女のそのスタイルは、自分がその世界に心から身を沈めていないという、ささやかな抵抗の表れだったのかもしれない。
金魚鉢の内側では、誰もが自分を指名してもらう期待感を膨らませていたけれど、その客はそちらに見向きもせず、受け付けのヤンと話し込んでいる。
アイリーンは、男が単に値段交渉をしていると思いながら、ヤンが時折自分を見ることで、もしや彼はフィリピーナを求めに来た客かもしれないと勘ぐった。
次の瞬間、ヤンが金魚鉢の中に頭を突っ込み、「ウライ、六十分」と言った。とたんに他の女たちが無愛想な顔に戻り、好き勝手なことを始める。
一見の客が女性の品定めをせず自分を指名したことで、アイリーンは憂鬱な気分になった。やはり彼は、フィリピーナを求めてやってきた客なのだ。
噂を聞きつけわざわざやって来る客に、ロクな人間はいない。彼女は舌打ちしたくなる気持ちを抑え、客の前に出て小さくお辞儀をした。
「はじめまして」男がアイリーンに挨拶を返す。
いつものようにアイリーンが先に立ち、薄暗い廊下を自分の部屋へと向かう。そして自室のドアを開け、客を中に招き入れた。
アイリーンが部屋の隅で服を脱ごうとしたとき、ベッドに腰掛けた客がそれを制した。
「服は脱がなくていい。そのままでいいから、横に座ってくれないか」
彼は手のひらを彼女に向け、少し慌てるようだった。アイリーンは、ボタンに掛けた手を止めたまま、客の方を振り向いた。
「あなたは英語が上手ね。日本人でしょう?」
こんな場所に来て、珍しいことを言う客だった。当然彼女の中に、その客に対する懐疑心が芽生える。そんな客に限り、後でとんでもない要求を突き付けてくるからだ。
「あなた、ここがどんな場所か知ってて来たの? ここは男が女を買う場所よ」
客に対する不信感が、アイリーンの口調に勢いをもたらした。
「勿論知っている。だから僕はあなたの時間にお金を払った。ここには二人が裸にならなければならないルールがあるの?」
男の顔に、軽い笑みが浮かぶ。
「そんなルールはないわよ。でも後で文句を言われても困るわよ。時間は六十分だからね」
そう言って彼女は客に言われた通り、彼に並んでベッドに腰掛けた。相変わらず、部屋の中にアブリルの歌声が響いている。
「これは僕のリクエストだ。苦情は言わないと約束する。もし時間が足りなければ、延長すればいいよね」
「ここは延長というシステムはないの。新しくもう一セットが追加になる」
「それでも構わない。もし必要だったら一セットでも二セットでも追加する」
彼女にそれは、金はいくらでもあると言っているように聞こえた。そんな人間に限って、女は金でどうにでもなると思っている。特にこんな商売をしている女は。
もしそうだとしたら、最低の人間だ。バカにしないで欲しい。
彼女の中で、そんな憤りが勝手にうごめく。
「私だって別の客が来たら、いつまでも相手をできないわよ」
わざとつっけんどんに言い返すと、「それなら今から、一セット分の追加料金を払おうか? それなら早いもの勝ちだ」と余裕で返された。
アイリーンは、ますますその男に苛立った。
「あなた、人を怒らせるのが得意でしょう」
「いや、そんなことはないと思うけど、どうして?」男は意外な質問に、困惑の表情でそう訊き返す。
彼女はその質問を無視した。彼女の顔は男と反対側を向いている。
「あれ? もしかして、君は怒っているの?」
それでもアイリーンは、男を無視した。
「怒らせるつもりなんてないんだけど、もし君が怒っているなら、確かに僕は人を怒らせるのが得意なのかもしれないなあ」
「はあ?」
「僕はこんな場所でどう振る舞えばいいのか分からないし、若い女の子とどんなふうに会話すべきかも見当つかないんだ。もし君の気に障ることがあったなら謝るよ。ごめん」
客がアイリーンに、きちんと頭を下げた。それはどうみても真摯な謝罪だ。どうやら彼は、極めて真面目に話しているようだ。
彼女は自分の勝手な思い込みで腹を立てたことや、男の生真面目な態度に少し可笑しくなって、思わずくすりと笑った。
「あっ、ようやく笑ったね。怖い顔をされると、正直息苦しくて大変なんだ」
彼女は自分が、笑い方を忘れていたかもしれないと思った。久しぶりの笑い顔が、変に引きつっていたような気がしたのだ。
短い時間に怒ったり笑ったり、彼女はこんなふうに感情を揺さぶられた自分が、人間らしさを少し取り戻したような気がした。
「自己紹介をしておくよ。僕の名前は沢木浩二、四十五歳、日本人。分かる? サワキコウジ。君の名前は?」
一方的にまくし立てる男の言葉に、アイリーンは上手く対応できなかった。正体の知れない男に自分の素をさらけ出すのは、恐怖心を伴う抵抗がある。だから彼女は、普段から客と会話などしたくない。
浩二は彼女のネームプレートを覗き込みながら、「ウライ? ウライでいいの?」と言った。
アイリーンは仕方なく、「そうよ」と答えた。浩二は「あなたフィリピン人でしょう? なんでウライなの? ウライってタイの名前でしょう?」と、再び突っ込む。
自分のプライベートな領域に無神経に入り込まれそうで、彼女の防衛本能が再び警鐘を鳴らす。そのせいで、口調は自然とぶっきらぼうなものになった。
「そうよ。あなたはフィリピンもタイも詳しそうね。なんで私がフィリピン人って分かるのよ」
「僕は仕事でタイもフィリピンも行くから、それくらいは分かる。あなたの顔はフィリピン人だ。タイ人と並んでも全然違う。それに、フィリピン人にはフィリピン人の雰囲気ってものがあるんだ」
彼女はその客を、言い負かせてやりたい衝動に駆られた。
「どんな雰囲気がフィリピン人の雰囲気なのよ」
浩二は少し考えて無言になる。
アイリーンはしてやったりと、「それらしいことを言っても、答えられないじゃない」と言った。
しかし浩二は、素直に答えた。
「確かに言葉にするのは難しいね。でも、僕は随分昔に、フィリピンの女性を愛したことがあるんだ。君はその女性によく似ているから、言葉で説明できなくても僕には分かるんだよ。だから、今日はそんな女性に会えて、僕は少し浮かれてしまった」
浩二は、アイリーンの目をまっすぐ見据えていた。彼女はその目を見て、少し戸惑った。自分の母親が話してくれた、人は目を見れば内面が分かるという話しを思い出させる目だったからだ。
「もし良ければ、あなたのフィリピンの名前を教えてくれないかな?」
浩二は彼女を刺激しないよう、静かに丁寧に尋ねた。
彼女は答えるべきか躊躇して、結局「アイリーン」と言った。そのとき浩二の顔に一瞬強張った反応が現れたことを、俯くアイリーンは気付かない。
アイリーンは、この客に気持ちを揺さぶられていることが不思議だった。
このまま時間がくれば、嫌な仕事をしなくても済みそうだ。つまり都合の良い客かもしれないけれど、変に落ち着かないのだ。それはおそらく、その男の真意を掴みきれないからだった。一体何を考えてるの? ということだ。売春宿に来てお金を払って話をするだけ。それはあまり普通でない。
少なくともアイリーンは、そんな客を初めてみた。いや、一人そんな客がいたにはいたけれど、それは顔見知りが自分に会いに来てくれたのだから、やはり今回は初めてのことと言えた。
彼には何か、目的があるのだろうか。悪い人には見えないけれど、人間の本性など簡単に見抜けるものではない。かつて信じたあの男がそうだったように。
アイリーンの警戒心をよそに、浩二が無邪気に続ける。
「アイリーンか、うん、いい名前だ。これからは君のことを、アイリーンと呼ばせてもらうよ」
「これから? あなたはまたここに来るつもりなの?」
こんな規格外れの男を度々相手にするのは疲れそうだという気持ちと、わざわざ高い金を払いそんな場所で会話を求める異常さを理解できず、アイリーンは本当に驚いた。
「そうだよ。ときどき君に会いにくるつもりだが、駄目かな? 僕は体の会話はできないけれど、こうした会話を楽しむことはできる」
「体の会話がだめってどういうこと? セックスができないの?」
思わずそんなことが彼女の口をついて出たけれど、浩二は意に介さずに答える。
「そうなんだ。だから僕がここへ来たら、いつもこのスタイルでお願いしたい」彼は日に焼けた顔に照れ笑いを浮かべ、自分の後頭部を掻く。
アイリーンは彼をおかしな客だと思うけれど、こうして話していると、意識的に維持する警戒心がどうしても緩んでしまう。こんなところにやって来る客を簡単に信じるべきではないと、彼女は何度も胸の内で自分に言い聞かせる。
「お金を払うあなたがそうしたいなら、全く問題ないわよ」少し不貞腐れた口調で彼女は答えた。
「ありがとう。ところで、少しフィリピンの話を聞かせてくれないかな? 例えばあなたの生まれた町のことなんか」
アイリーンは一瞬、自分の体が固まるのを感じた。忘れなければならない故郷の話など、したくないのが本音だった。
困った彼女は、無言になった。
「ごめん、何か気に障ることを訊いてしまったかな?」
浩二もアイリーンの様子を察し、頭を掻きながら続けた。
「それじゃあ、僕の話を少ししていいかな?」
「ええ。お金を払っている時間はあなたが王様よ。好きにして」
アイリーンは、自分の話をしなくて済むことに安堵しながら、彼の話しに興味が湧く。
それまで、客に興味を持つことなど皆無だった。しかし彼女は、彼の素性や何を考えているのかについてもっと知りたいのだ。そこから、彼の奇妙な行動の理由が分かるかもしれない。
「僕は日本で自分のビジネスをしている。パソコンやソフトウェアを売ったり、部品を売ったりしているんだ。その関係でパソコン関係のビジネスがあればどこにでも行く。売っているのはパソコン関係だけじゃない。物を作るためのアレンジをしたり、人の会社を手伝う仕事もしている」
「そう? あなたは社長さんなの?」
「社長と言っても小さな会社だ。今はたまたまマレーシアで回路基板の製造関係の仕事をしているから、休暇でシンガポールに来てみたんだ」
「休暇でこの国に来て、なんでわざわざこんな所に話をしに来るわけ?」
やっぱり普通じゃないと、アイリーンは思う。
「以前シンガポールで長いこと仕事をしていたから、ちょっとこの国を懐かしく思ってね。たまたまホテルの人に、このエリアにこんな宿があると聞いて興味を持ったんだ。あなたはこの辺りで、ちょっとした有名人みたいだ。ここに可愛いフィリピーナがいることをある人に聞いて、だったら会ってみようかと思ってね」
「だから私を指名したの?」
「そう、最初からそのつもりで来た。名前を知らなかったから、受付で少し尋ねてみた。この界隈でフィリピーナは珍しいんでしょう?」
「そうみたいね。あなたはどうしてフィリピン人を指名しようと思ったの?」
「さっきも話した通り、昔フィリピンに恋人がいたから、懐かしくなってフィリピンの話ができればいいと思ったんだ。あなたはフィリピンの話をしたくないの?」
「私はあの国が嫌い。何もいいことがない」
自分の口から素直な本音が出ていることに気付き、彼女は戸惑う。浩二の静かで正直そうな物言いに、彼女の心が懐柔されつつあるのだ。彼女は彼に対する警戒心を維持しようと努めながら、それでも彼のペースに引き込まれている自分に違和感を覚えていた。
「そう? 僕はあの国が好きだな。自然がいっぱいだし、優しい人がたくさんいる。フィリピンの人はみんな明るいでしょう? だから僕はあなたと会って、きっと楽しい話ができると思っていたんだ」
「それは期待外れね。私は楽しい話なんかできないし、性格だってごらんの通り。ここで働く女は、みんな似たようなものよ」
フィリピンは、金持ちの日本人には良い国かもしれないと彼女は思った。けれど、自分や家族にとって、そこは決して楽な国ではなかった。そんなことを思うと、アイリーンは自虐的な気分になる。
そんな空気を察し、浩二は話しを繋げた。
「僕はね、仕事だったりプライベートでこれまで色んな国に行ったんだ。また行きたいと思う場所は色々あったよ。例えば、ハワイ、ラスベガス、そして台湾。でもね、住みたいと思ったのは一つだけ。どこだと思う?」
「まさか、フィリピンじゃないでしょうね」
「そのまさかだよ」
彼女はわざと呆れた顔を作った。
「どうしてよ。あんなに貧しくて汚い国なのに」
「汚い?」
「ええ、汚い。街はゴミだらけで臭いし、人はお金に汚い」
「そうかなあ。僕はそう感じたことはないし、そんなふうに思いもしなかったけど」
「あなたはお金を持っているから、そんな世界が見えにくいだけよ」
浩二は静かに首を振る。
「僕はお金に困ったときに、フィリピン人の暖かさを知ったよ」
「私はお金に困ったときに、フィリピン人のいやらしさを感じたわ」
「まあ、そういうこともあるよね。でもそれは、どこの国でも同じことが有り得るんだよ。僕がフィリピンを好きなのは、そこでフィリピンにしかないものを見つけたからなんだ」
「それは何?」
「空気だよ。フィリピンには、どこの国にも見ることのできない不思議な空気がある。とても惹きつけられる空気だ。貧しくてもみんな頑張って生きているし、人情味があって素朴だ。それに活力がある。笑うときには本当に楽しそうに笑うし、悲しいときには本当に悲しそうな顔をする」
「それって当たり前じゃない」
「いや、それは当たり前じゃないんだ。人というのはね、自分のありのままの姿を他人に見せるのが怖くて、いつも自分をベールで覆っているものなんだから」
アイリーンは、それを自分のことに重ねて考えてみて、確かにその通りかもしれないと思う。
「それは分かる気がする」
「ベールで自分を隠さない人たちって、素敵だと思わない? それってとても正直な生き方をしているってことだから」
「正直じゃない人だってたくさんいるわよ。少なくとも私は数人知ってる」
「それはそうさ。それもどこの国にもたくさんいる。でもフィリピンには、いい意味でも悪い意味でも、自分に正直な人がたくさんいる。他の国とは比べものにならないほど」
思わず彼女は、フィリピンで自分の身の回りにいた人たちを思い浮かべた。
「いい意味でも悪い意味でも……。そうだったらそうかもしれない。私は他の国をよく知らないから、フィリピンが特別そうなのかはよく分からないけど」
「そうだね、比べてみないと確かに分からない。僕も日本のいい所や悪い所は、他の国を見て初めて知ったから」
「私はフィリピンよりも、日本の方がずっといい国に思えるわ」
「いい所もあれば悪い所もある。人によっても捉え方や感じ方は違うし、どちらがいいとは言い難い。ただ、僕はフィリピンが好きということなんだ。君には分かりにくいだろうけどね。良かったら、そのうち日本に招待するよ。あなたが日本を見たら、また違う意見を持つかもしれないし、逆に僕の言うことを理解できるかもしれない」
彼女は笑った。自虐的な笑いだった。
「日本に行けたら嬉しいけど、私にはそんなお金も自由もないの。見たら分かるでしょう?」
浩二は少ししかめた顔で、部屋の中を見回す。
「そうだね。確かに今直ぐは難しそうだね」
「今直ぐだけじゃないわよ。これから先もずっと同じ。もしかしたら死ぬまでよ」
彼女は再び皮肉っぽい笑みを顔に浮かべて続けた。
「私はフィリピンが嫌いって言ったけど、でも本当はとても帰りたいの」
そう打ち明けるアイリーンに、浩二は複雑な眼差しを向けていた。希望の持てる言葉を掛けてあげたいけれど、それができない。
「いつか帰ることができるよ。僕に手伝えることがあれば協力する。ここに来て君と色々話をする。会話の中から何かが見えてくるかもしれない」
彼女はそれをリップサービスだと思うけれど、それでも彼との会話に暖かいものを感じ取ることができた。客との間で交わされる軽薄な会話とそれが、少し違うような気がするのだ。それはきっと、その男の優しい眼差しのせいだった。目を見れば相手のことが分かるという母親の言葉に、彼女は納得していた。
打ち解け始めたアイリーンに、浩二は時計を見て不意打ちを食らわすように言った。
「ごめん。今日はこれから用事があるのすっかり忘れていた。今日はもう帰るけれど、また来るからよろしく」
「え? でも時間はまだ残っているわよ」
アイリーンは困惑した。もう帰るという浩二の言葉に、彼女はようやく掴みかけている彼のことが、リセットされてしまうような気がしたのだ。
既に立ち上がり帰ろうとする浩二を見て、アイリーンはもう少し話をして欲しいと言いたくなり、そんな自分に驚いてその言葉を飲み込む。
立ち上がった浩二はズボンの後ろから黒皮の財布を取り出し、その中から百シンガポールドル(六千五百円)を抜いてアイリーンに差し出した。
「これは何?」
彼女は、浩二が何かを勘違いしていると思った。料金が六十シンガポールドル(五千二百円)なのに、百シンガポールドルをチップとしてくれる客などいるはずがないからだ。
「これはチップのつもりだけど」
やはりアイリーンは耳を疑った。素直に受け取りたい気持ちと裏腹に、彼女の口から違う言葉が飛び出した。
「そんなにたくさんチップをくれる人はいないわよ。しかもただ話をしただけで。あなたはクレイジー?」
「そうなの? でも大丈夫だよ。あなたに変なお願いをしたりしないから、これは素直に受け取って欲しい」
浩二は手にした札をベッドの上に置き、ドアのキーを外しドアノブに手を掛けた。アイリーンはそのお金を見て狐につままれた感覚を引きずりながら、浩二の後を追って廊下へ出た。
浩二は彼女に構わず、出口に向かって歩いていた。そして顔をアイリーンの方へ向け「また来るよ」と言い、立ち止まりもせずに店の外へと消えた。
部屋に戻ったアイリーンは、ベッドの上に置かれた札を見つめながら、何が起こったのか分からない不思議な感覚に包まれた。そして浩二が会話の中で言った「良かったら日本へ招待するよ」という言葉が、妙な違和感を持って、彼女の中で繰り返される。
売春宿から出た浩二は周囲の様子に目もくれず、先ほどと打って変わった険しい顔付きで、ゲイラン十八通りを大通りに向けて歩いていた。
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