生きるとは、産まれるとは、そしてまた生きるとは

典型的なヒューマンドラマでありつつも、主人公の『芯の強さ』が垣間見える感動作です。何故ならこれは、『命』の物語だからです。

短編として、教訓めいたことを述べながらも、全く「うるさい感じ」がしないのは見事です。それほど登場人物たちに感情移入ができるよう、丁寧な言葉選びが為されていたことの証左と言えるでしょう。

象徴的なのは、やはり『桜』の存在です。日本人の心の琴線に触れること間違いなし。そして語られる、『親と子』の関係性。
一歩間違えばただの道徳論にしかならないところですが、それが今作では、綺麗にエンタメ系ドラマとして仕上がっています。

深い余韻と共に、非常に感慨深く、それでも明るく前を向ける作品です。

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