フェイクなんだけど、フェイクじゃない

今より数年先を舞台としたフェイクドキュメンタリー作品。

私はいわゆる社会派作品に触れる機会が少ないのですが、そんな不勉強な人間をして一目見ただけで「あ、これはすごい作品だ」と思わせる強さがありました。

海外文学のエッセンスを持たせつつ、文章が無駄なく脱線せず組み立てられているので、に無駄がないので専門用語が邪魔にならず頭の中にリアリティとして入ってきます。

そのリアリティにさらに説得力を持たせているのが、現実においても取り沙汰されている社会問題や情勢を盛り込んでいることです。

フィクションの中にそうした現実の延長線を引き伸ばして繋ぐからこそ、それが起こりうる未来かも知れないと良い意味で錯覚させられるわけです。

まだ書き始めの段階でこれだけ心を掴んでいるのに、この続きや結末はどうなってしまうのか。
楽しみでもあり、恐ろしくもなる期待作です。

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