第8話

「アーズ後ろ!《アタック・バリア》!」

私が結界をアーズに張った直後、アーズにドラゴンの爪が当たる。

「…っぶな!ありがとうレイン!」

「グガァァァ!!」

自分の攻撃が防御されたことに憤慨したのか、ドラゴンが鼓膜が破れんばかりの大きな叫び声を上げている。コイツばかりは水魔法でも効かないような気がするので、討伐はアーズに任せよう。

「レイン、援護お願い!コイツの気をそらして!」

「わかった!《フェイント・ライト》!」

攻撃には使えない、陽動専用の魔法。それが《フェイント》シリーズである。ドラゴンは光に吸い寄せられる習性があるので、今回は光。

「背後がガラ空きよーー!はあぁぁ!」

ガキン!アーズの剣が、確かにドラゴンの背中に刺さったーーかのように見えたが、ドラゴンの特徴である硬い鱗により跳ね返される。

「チッ!やっぱり効かないか…!」

アーズが苦虫を噛み潰した顔になる。

「アーズ!何か必殺みたいなのはないの?」

「あるわ!最近、使ってないけど…いや、そんなこと言ってられないよね。やってみるわ!」

「わかった!」

「〈剣よ、我が求めに応じその力を解き放たんーー!〉」

「うわぁ…」

アーズが詠唱をする。まさに強い、と言ったように、鋼色に剣が光り始めた。

前傾姿勢になったアーズが一呼吸置く。

「一発で、仕留める…!《マギー・シュヴェールト》!」

当たりが光に包まれ、思わず目を瞑る。アーズが間からドラゴンの逆鱗を刺したのが見えてーーーー

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魔法令嬢、戦います! らいち @Lychee0124

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