はじめから最後まで一気に読めます。疾走感たっぷり。最後に余韻を残す終わらせ方が好みにドストライクでした。

あんまり面白かったので応援コメントに長々と考察をしてしまいました(作者さんすみません)

女優になりたかった桜子ちゃんと迷ったけれど、やっぱりこっち！
ざわざわじゃなくてぞわぞわする葉桜
後味が残ります、お茶飲みたいです

美しいものは人を狂わせる。

理性を奪い、取り憑くように。

一度と思っても、止められない。


同じプロットからお話を書く企画ですが、
まさかの葉桜の君に、というプロットから、こんなお話が、しかも凝縮された文章で生まれるとは！

そろそろ暑くなってきたので、涼しくなりたい方はどうぞ。

この作者様の人間の描き方は、非常に勉強になる。

擦れた中学教師「秋田葉太」は、教師生活に「飽きたようだ」と独り言ちするほど、かつての情熱が思い出せないでいる。それに焦りも感じていない。GWに入るにあたり、ようやくその喧騒から開放されると感じるほど。

そんな葉太が、偶然出会い、悩みを打ち明けてきた春川桜子に、どう接していくのか。
そしてどんな最後を迎えるのか。

読者を裏切る展開。無駄のない構成と筆致。過装飾を避けながら、葉太の見る世界を描ききる筆力。
どれをとっても高水準でまとまっており、それでいて読者の胸に何かを残していく力量と感性に感服。

作品単体としても短編として素晴らしいが、書き手にとっても、多くを発見できる作品だろう。