僕とばーちゃんと、時々彼女の島 ~僕の穏やかな島暮らしが終末を迎えるまで~

作者 武石雄由

39

13人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

冒頭の田舎の風景、主人公の少年とばーちゃん
のほほんな話かと思えばまあまあ!
ガチSFでしたわ。展開もスピーディで読ませる話ですね
キーワードは「分かり合う」「わかりあえない」
ばーちゃんの半生は、悲痛なものです。その結果が孫の少年です。
なぜ、この島で2人だけで生活してるのか?
読み進めれば、止まらないこと受け合いです。
SFでしたね。やっぱり
分かり合う事が必ずしも最適解では無い。
人とはなにか?模索し続ける一作です。これはおすすめです

★★★ Excellent!!!

こう、本当にすごい所はなかなか言葉にしづらいなと思います。まず最初の島が遠ざかっていくところで心を奪われました。「ああ、これは最後まで読むしかない物語だ」と。海と風の匂いがするんです。僕、上手い作家って文章から匂いがすると思っていて、武石さんは本当に上手いなあと思いました。それ以降もそう。情景と匂いと感情の全てを感じます。ありきたりな言い方ですが、それって「そこにいる」ということですよね。

もちろん言葉にしやすい所もあります。とてもよくできたSFですから。途中から書き方に違和感を感じるんですが、それがどういうことか第8話で分かる、その時のゾクゾク感は忘れられません。この話、ちょっとした設定・描写にも理由があります。

そしてアカリのあれのまさしく「あっ」という感じ。その後ああなりますけど、でも一面としてはあれきりなんですよね。それで済ませてしまうのかと思いました。でもそれが……ということですから(ネタバレを恐れて何も言えん)。僕はあれで素晴らしいと思います。

あとは、毎回引きがすごいんですよね。引きを作るのに必ずしも事件やアクションを起こす必要は無いんだなということを改めて勉強できました。

……いいところとか、面白さとか伝わった? 読んでね。

★★★ Excellent!!!

 タイトルのほのぼの感から、この物語は全く想像のつかないものです。
とにかく凄い。
 エピソードを追うたび、予測不可能な展開が待っていて、最後までドキドキしながら、読み進められます。
 文体もとても読みやすく、入り込みやすいです。
 今、世界規模のパンデミックが発生してますが、近い将来、こんな事になっているかもしれません。
 
 オススメです

★★★ Excellent!!!

コロナ禍の最中にある世界で生きる現在の我々にとって、この作品が示す未来は「あるかもしれない可能性」の一つです。

休校や外出の自粛、イベントの中止で、他人との直接的接触が避けられる今、こう考える人も多いのではないでしょうか。
「インターネットで誰かと繋がっていなかったら、とても耐えられなかっただろう」と。

本作の主人公ハジメは、生まれた時からばーちゃんと二人暮らし。
そして時々島に物資を運んでくるアカリだけが、ハジメの知る全ての人間でした。

このように、極端に限られた環境ではありますが、ハジメは特段不便を感じていません。
彼の目を通して語られる自然そのものの島の情景は美しく、緩やかな暮らしの平穏に心が洗われるようでした。

そこへ流れ着いた見知らぬ男の存在によって、読者の認識し得なかった事実が明かされていくのですが……

物語のラスト、ハジメがばーちゃんから伝えられた言葉に、皆さんは何を感じるでしょうか。
忘れられない大切なものを手にしていた思い出こそが、人を唯一無二の「個」たらしめる宝物なのかもしれません。

最後の「別れ」の情景に、寂寞とした哀しみを感じました。

★★★ Excellent!!!

 僕とばーちゃんが二人で暮らす、平和な島。そこに物資を運んでくれるアカリがいて、3人の世界。そこへ島外から男が流れ着いて……。
 まず冒頭の平和な島の様子が描写されますが、これが短いながら平穏を感じさせてくれます。そこに訪れる異分子というなんともベタな導入も、しっかり平穏を味わったあとだと不穏さが増して良いもの。男は伝染病に感染していて、読者は「やっぱり!」となるわけですが、実はその病気は……。
 これ以上はネタバレになるので書けませんが、展開もさることながら描写も素晴らしい。日に日にやせ細るばーちゃんの様子や、おにぎりを皆で食べるシーン。何気ない描写が上手で堪能しました。驚愕のラストまでぜひ読んでみてください。