episode2
俺はネアに連れてネアの家に向かっていた。
俺はネアの後ろに付いていく、そんな時に微かに
ネアの匂いがした。優しい匂いだった、何だか随分と前に同じ匂いを嗅いだ事のある様な気がした。
「俺とネアは随分前に会った事がないか?」
俺はそんな事を何となく聞いてみた。するとネアは
立ち止まり、後ろを振り返らず「無いわよ、貴方を見たのは今日が初めてよ。」と答え、そのまま歩き出した。何だか少し肩が震えてる様に見えた。
しばらく歩いているとネアの家が見えてくる。森の中にある少し大きめのログハウスだった。
「ここが私の家よ、さっ中に入りなさい。」とそう言わて俺は家の中に入る。玄関を潜ったその時だった、やはり俺はこの匂いを知っている。だがやはり思い出せない。「とりあえずお風呂に入りなさいい。」とそうネアに言われて俺は風呂場に連れて行かれた、言われた通りに体を洗い湯船に浸かる。少しだけ、心の荷が降りた気がした。俺はきっと自分が生きている事が許せないのだろう。仲間が死んで行き、自分だけが生き残った、それが自分は許せないのだろう。だが復讐するにも俺には力がない、
俺は一体どうすればいいのだろうか。そんな事を考えて俺は風呂を上がった。風呂の前には少し大きい服があったのでそれを借りてネアの元に戻る。ネアは夕食を作っている途中だった、ネアは俺の存在に気づき声をかけてくれた。「服のサイズがそれしか無くてごめんね。」と少し申し訳なさそうに言うので「俺の方こそ、見ず知らずの俺にここまでしてくれてありがとう。」と答えた。するとネアは少し微笑みまた夕食を作り出した。「もう少しで出来るから掛けて待ってて。」と言われテーブルの椅子に座って待っている。しばらくして夕食が並んだので
それをいただく、野菜スープとパンだったが
野菜の味がスープに溶け込み絶品だった。夕食が終わり食器を片付けるとネアが「これからどうするの?」と聞いて来たので俺は「わからない。」と答えた。「人族の国オーラスと獣人の国のシリウスに
対して復讐したく無い訳じゃ無い。だが俺には力が無ければ武器もない、仲間もいない。
何も無い俺は一体これからどうすればいいんだ。」
俺は心の叫びをネアに言ったのだった。何かが変わる訳では無いのは分かっていた、ほとんど八つ当たり見たいな物であるのも理解していた。だが言わずにはいられなかった。誰かに聞いて欲しかったのだ。するとネアは驚きの言葉を発した「イグニス、貴方にもし力が眠っているとしたらどうする?」俺は耳を疑った。
「私たち混血者のみが使える術があるの、その術は
二つの種族の術を組み合わせてオリジナルの術を生み出すのその力を一つ使えば山を砕き、海を切り裂き、空を割る術、それが生存確率3%を生き抜いた私達、混血者のみが使える術。それが「混血魔術」と言う術よ。」
俺はネアに問い詰めた。
「俺にはその力が眠っているのか?
俺にその力があればもう奪われずに済むのか?
その力が有れば次こそ誰かを守れるのか?」
ネアは「それは分からない、私が出来るのは貴方にこれからを生きて行く方法を教えてあげるだけ。
そこからは貴方が決める事なのよ。誰かを助けるのも、誰かを殺すのも貴方次第」ネアはそう言った。
俺の答えは既に決まっていた。
「俺はそれでも構わない、例えそれが何の力でも
良いんだ。俺は、俺みたいな人をもうこれ以上
生み出したく無いんだ。別種族だからと言って殺し合い、憎しみ、歪んで行く。こんな負の連鎖を誰かが止めなくちゃいけない。その為なら俺は神だろうが悪魔だろうが手を組んでやる!。どんな力でも手に入れてみせる!。例えそれが世界の断りに反していても。」
ネアは俺の話を黙って聞いてくれた。そしてネアは少し微笑み「いいわ、教えてあげる。150年生きた私が研究に研究を重ねて生み出した混血魔術の使い方を。その代わり私の訓練は厳しいわよ」とネアはそう言った。「今日はもう遅いわ、修行は明日からよ。早く寝て体力を付けるのね。」と言われて
俺はあまり部屋を用意された。「ここが貴方の寝室よ、この部屋は好きに使って頂戴。」と言われた
その部屋に入るとベッドと机だけの殺風景の部屋だった。「それじゃ、おやすみなさい。」ネアがそう
言うと俺も「おやすみなさい」そう言うとネアは部屋を出て行った。そして俺はベットに入ると即刻
睡魔が押し寄せたので、そのまま睡魔に身を任せる事にした。
優しい魔王の追憶 NA NA NA @Zcv12345
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