第二話 刹那の独白


 西に位置する逢坂は、暑い。

 桜の咲く季節を過ぎれば、昼間は薄着でも過ごせる陽気だ。

 オレは刹那。

 秋津川情報屋事務所の所長であり、執行人である秋津川雪那の愛猫だ。

 ゆらゆらと自慢の尻尾を揺らして、オレは事務所の屋根の上で日向ぼっこをしている。

 今日も実に穏やかだ。

 オレは、雪那が小さい頃から一緒にいる。

 アイツの事なら大体の事は知っているし、オレにとっては大事な主だ。

 そんな雪那にも恋人が出来て、一安心している。

 ふと、二階の窓に目を向ければ、雪那が猛や雨と話している。

 お、莉桜も来てるのか。

 この四人が事務所に揃っているのを見るのが、オレは結構気に入っている。

 今日も雪那は怪夷の出現情報を集めに情報収集へ行くらしい。

 やれやれ、オレもついて行くか。

 雪那はあれで、オレがいないと戦えないからな。

 え?なんで戦えないかって?

 それは、オレについてくればいつか分かるかもよ?

 アンタも来る?

 オレ達の目で見る逢坂は、ちょっと違う景色が見られるかもよ。

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おうさか聖剣アニマル奇譚 夜桜 恭夜 @yozacra-siga-kyouya

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