第一話 三日月の呟き
ひらひらと、薄紅の花弁が落ちる窓の傍。
丸めていた小さな身体をむくりと伸ばした。
何か、とんでもない夢を見ていた気がする。
そんな事を思いながら、僕は窓辺に落ちていた五枚の花弁に鼻先を近づけた。
甘い蜜の香りに心がほんわかしてくる。
そういえば、誰かに言われた気がするので、僕の事をちょっとだけお話するね。
僕の名前は三日月。
出雲の刀工によって打たれた聖剣『神刀三日月』の
僕の主は九頭竜莉桜。僕を打ってくれた刀工の娘さんで、僕を目覚めさせた張本人。
僕は莉桜が小さい頃からずっと一緒にいる。
逢坂に来て毎日色々あって大変だけど、莉桜が楽しいならそれでいい。
僕にはある使命があるんだ。
それは、僕の他に残り四振りあるとされる聖剣を捜すこと。
僕が生まれた時、上の兄弟は皆何処かにけんじょうされていて、会ったことがない。
だから、早く会いたいな。
ん?でも、見つけたら何をするんだっけ?
う~ん、忘れた...
でも、そのうち思い出すからいいや。
喋ったら疲れちゃった...。
お昼寝しよう。
聖剣シリーズ。それは、怪夷討伐の為に出雲のある刀工が密かに打ったとされる悪鬼殲滅の刃である。
その刀身には、怪夷を滅するだけでなく魂が宿っていた。
この物語は、聖剣に宿る思念体ー聖剣アニマルによるほのぼの呟き日記である。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます