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吐いた息の白ささえも、空の白に溶けてゆきます。地平線などとうに消えました。帰り道は、どちらだったでしょう。死んでしまったのかと思うほどに、手も足も、ちっとも動きません。倒れ込んだ僕を、暖かさをもって雪が包みこみます。
目を閉じたら、もう二度と目覚めませんように。
目覚めれば僕は、また君と出会ってしまうから。最後まで愛していたとは言わなかった僕らは、正しさを求めてはいなかったけれど。けれど君は、僕の目には最後まで正しく見えていました。
さよなら、君に殺されて、僕は幸せです。どうかこの慟哭が、空まで届きませんように。白に阻まれてしまいますように。
指先には冷たすぎた ℃ @puonesica_
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