ありとあらゆる災難を具現化した存在の「災厄ちゃん」は、その美しい容姿から人間に討伐してもらえない。本当は人間を傷つけたくない、と言うがそれは本心か?彼女から「殺し」を頼まれる、一人の刑事の物語。言葉遊びのような会話も、コロコロと変わる人格も、そして後半の唐突な展開も、災厄とは所詮そういうもので、人間のコントロール外なのだ、という人知を超越した存在ということを描いているようにも思う。しかしながら、彼女が本当に存在したのか。主人公の白昼夢に過ぎないのか。それは誰もわからない。そして物語は私たちの今、“2020年”に続いていく。
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