『7』エピローグ

 ママが買い物から帰って来た。

 プリンが無くて拗ねていた私に、「はいこれ」と渡してきたのは、紛れもなく、昨日私が買ったプリンだった。


「食べたかったんでしょう?」


「うん」


「私も買って来たわ。一緒に食べましょ」


 二個だけ買ってきていた。兄ちゃんとパパの分はない。


「お皿洗い手伝ってくれてるご褒美よ。さ、ばれないうちに食べましょ」


 ママは「あー、暑かったわぁ」と、チョコアイスも買って来たみたい。

 チョコアイスをプリンの上にのせて、チョコアイスプリンにした。

 私が食べたかったプリンよりも、少しだけ豪華になった。


 プリンを食べ終わった私は、愛犬のチョロを撫でながら、扇風機に「あ~」と声を吐き出す。


 一体だれが犯人だったのか。真相は闇の中。

 でも、プリンは私のお腹の中にある。


 ふふふ。

 もう、誰が犯人でもいいや。

 食べたら眠くなってきた。私はちょっとお昼寝をすることにした。

 チョロも一緒にねそべったら、すぐに……。



    ◆



 リビングでおとなしく、すぅすぅと寝息を立てる一人と一匹。

「まったく、今回だけよ。次は許しませんからね」


 ママは、プリンを食べた犯人に向けてウィンクをした。




 完



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【ゲームブック】プリンを食べたのはだれ? ぎざ @gizazig

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