何度でも、巡り合うたびにあなたに恋をするの。

最愛の魔女を失った騎士が、魔法で過去に遡って人生をやり直す。
あるいは魔法の館で育った魔女が、真実を見つける物語。


温かくてロマンティックなお話です。

宇宙(そら)タグに、ん?と思っていたのですが、終盤にふわっとSF要素があります。読んだときはタグの存在を忘れてたのでちょっと驚きました。笑

特筆すべきは丁寧に張られた伏線と、キャラクターたちの細やかな心理描写。
ああ、あれはこういうことだったのね。この人はこう感じているんだろうなあ……と、読みやすい文章でさらりと、しかしたっぷりと物語の世界を味わうことができます。

中盤からの急展開がとくに見どころと言えるでしょう。
舞台が外国に移ったかと思えば、明らかに第三者の意図によってジェイクとシャロンの運命が想像しえない形に変化していく。一体誰が何のために?これから何がどうなるんだろう?と、予想できない展開にワクワクしながら読み進めました。

あと忘れちゃいけないことがひとつ。
ロマンス、めっちゃ甘いです。砂糖菓子で頭を殴られているかと錯覚するほどなので、これから読む方はぜひお供にブラックコーヒーか濃い番茶をご用意ください。
あと読み終わったら歯を磨こうね。お姉さんとの約束よ。


……そんな愛と情熱と陰謀がギュッと詰まった魅力的な全30話です。
楽しい時間をありがとうございました。