他の追随を許さない圧倒的な個性。他の誰とも違う、似ても似つかないそれは、読み手に強烈なインパクトを与える。
そして驚くべきことに、この物語は冒頭で話のあらすじをさらしてしまう。
これは、作者が話の展開や構成を楽しんでもらいたいのではなく、アライ君の個性や彼が作り出す世界観や空気を、語彙豊富で多彩な言い回しの数々を、誰かに味わってほしいのだと自分は勝手に解釈しながら、読み進めていった。
最初は何を言っているのかすらぼんやりとしかわからない、独特なアライ君の方言も、後半になってくると、ちょっとわかってくるのも不思議だ。
そして佳境になるにつれ、あらすじはあらすじでしかなかったことを知る。
本当はそれ以上のものが用意されていて、ラストに納得の結末。
この作品は読み手を選んだり、万人向けとは言えないかもしれないけれど、もし興味を持った方がいらっしゃれば、是非とも読んでほしい。
どの流派とも違う、誰も読んだことのない物語がそこにはあります。
読了しましたので、レビューを!
冴えない主人公ジローと、奇抜を絵に描いたような人物アライの出会いから始まる怒涛のギャグ?(本人は至って真剣?)コメディテイストな青春物語!
アライくんが1985年に拘る理由、徐々に彼に惹き込まれていくジロー(読者)目線、天使なヒロインと愉快過ぎる仲間たち、どれをとってもオンリーワンでした。
アライくんの台詞を読むのが上手くなっていく自分に驚きながら、いや戸惑いながら、時折見せるシリアル展開で不意をうたれながら、何とか読了!
なんだか、ちょっとした青春の追体験をした感じで、いい読了感でした。
おすすめです、是非どうぞ(っ˘ڡ˘ς)
オマーン人と日本人のハーフであるアライくん。
見た目も行動も喋り方も強烈です。
とある理由で1985年にこだわる彼はその時代のグッズを手に入れるために仲間というか手下のジローを引きずり回します。
このジローの目を通して物語は進んでいきます。
とにかくアライくんの個性が際立っています。
勢い、一本筋の通った生き方、男らしさ。
読んでて痛快でした。
時間のない方は初めの「あらすじ」だけでも読んでみてはどうでしょうか?
この物語のすべてがネタバレ含め短くまとめてあります。
作者独特のユーモアだと思われるので、普通に読みたい方は「あらすじ」は飛ばしても構いません。
強烈な個性のアライくんに振り回されるジローくんの成長も見ものです。
スカッとしたい時にぜひ!